家庭の医学 大全科

健診・人間ドック 検査結果のくわしい解説とQ&A

免疫系の検査

細菌・ウイルス感染を調べる血液検査
梅毒反応、CRP

細菌・ウイルス感染を調べる血液検査 梅毒反応、CRP

梅毒反応

梅毒反応検査の概要

梅毒は、トレポネーマ・パリダムという細菌に感染したことで起こる感染症です。この細菌に対する抗体が血液中にあると梅毒に感染していることがわかります。STS法(カルジオリピンという梅毒に感染すると出てくる脂質を抗原とする抗体検査)とTPHA法(トレポネーマの菌の成分を抗原とする抗体検査)との2つの検査を行い、評価します。採血によって調べます。

広告

広告

梅毒反応検査の判定

日本人間ドック学会の判定
梅毒反応検査の判定 日本人間ドック学会の判定
梅毒反応
異常なし:陰性(−)
要治療・要精検:陽性(+)
梅毒反応検査の評価
梅毒反応検査の判定 梅毒反応検査の評価
梅毒反応検査の評価
STS法:+ / TPHA法:+ / 評価:現在、梅毒に感染
STS法:+ / TPHA法:− / 評価:自己免疫疾患 肝臓病(生物学的偽陽性)
STS法:− / TPHA法:+ / 評価:過去に梅毒感染 治療済み
STS法:− / TPHA法:− / 評価:感染していない

梅毒反応に関連する病気

陽性の場合
梅毒
※肝硬変などの肝臓病、自己免疫疾患でも陽性になることがある

梅毒反応検査では、梅毒以外の病気でも陽性になることがあります

梅毒は、性行為によってうつる感染症です。感染すると数週間の潜伏期間を経て感染部位にしこりなどの症状がみられますが、初期症状は軽度なため発見が遅れることもあります。早期の薬物治療で完治可能ですが、検査や治療が遅れたり、放置したりすると、長期間の経過で脳や心臓に重大な合併症を起こすことがあります。

この検査で陽性の場合は梅毒に感染していると考えられます。ただし、梅毒ではないのに陽性になることがあります(生物学的偽陽性)。また、一般的に感染しても2〜3週間経たないと陽性にはなりません。確定診断のためには、さらに詳しい検査を受ける必要があります。感染がわかったらパートナーにもきちんと伝えて、検査を受けてもらうことが大切です。

CRP

CRP検査の概要

CRPは、細菌感染などによって炎症が起きたり、病気で組織が破壊されたりすると増加するたんぱく質です。採血によって調べます。

CRP検査の判定値

日本人間ドック学会の判定値
CRP検査の判定値 日本人間ドック学会の判定値
CRP(mg/dL)
異常なし:0.30mg/dL以下
軽度異常:0.31〜0.99mg/dL
要治療・要精検:1.00mg/dL以上

CRPに関連する主な病気

CRPは炎症が起きていると増加します

CRPは血液などの体液中に広く分布するたんぱく質の一種です。細菌に感染したり、関節リウマチなどの自己免疫疾患で炎症が起こると、CRPが増加します。また、心筋梗塞やがん、大きなけがなどで組織が破壊されたときも増加します。血液中のCRPが増加しているときは、感染症や自己免疫疾患、病気による組織の破壊が起きていることなどを疑います。

広告

広告

よくある質問Q&A

梅毒反応検査で陽性になり、さらに検査が必要といわれた。何の症状もないが…
症状がなくても、必ず詳しい検査を受けましょう
梅毒反応検査では、梅毒でなくても、肝臓病や自己免疫疾患などによって陽性となることもあります(生物学的偽陽性)。いっぽう、梅毒に感染した場合、初期症状として感染部位にしこりや潰瘍などがみられますが、痛みもかゆみもなく自然によくなってしまうため、感染に気づかず見逃されることが少なくありません。さらに、感染後しばらくして(約4~10週間後)、全身の発疹といった特徴的な症状が現れますが、これも数週間〜数カ月で治療をしなくても自然によくなってしまいます。その後、症状のない無症候期となるため、放置すると、数年〜数十年という長期にわたり静かに進行し、心臓や血管の病気、脳障害や手足のまひ、失明といった重篤な病気に至るおそれもあります。2010年以降、梅毒に感染する人が全国的に増加しています。人間ドックなどの健診で、さらに詳しい検査が必要といわれたら症状がなくても必ず受けましょう。梅毒と診断された場合でも、有効な治療薬があるので、早期であれば通院で治療できます。
監修者プロフィール
和田高士 医師
監修
和田高士(わだたかし) 医師
東京慈恵会医科大学大学院医学研究科健康科学 教授
1981年東京慈恵会医科大学卒業、2008年東京慈恵会医科大学 総合健診・予防医学センター教授を経て、現、東京慈恵会医科大学大学院医学研究科健康科学教授。日本肥満学会評議員、日本動脈硬化学会評議員、日本臨床検査医学会管理医、肥満症診療ガイドラインの執筆も担当。日本人間ドック学会では、理事を務める。