家庭の医学 大全科

健診・人間ドック 検査結果のくわしい解説とQ&A

血球の検査

炎症や免疫の異常を調べる検査
白血球数

炎症や免疫の異常を調べる検査 白血球数

白血球数検査の概要

白血球には、体内に侵入した細菌やウイルスなどを取り込んで破壊したり(殺菌作用)、免疫抗体をつくって殺したりする働き(免疫反応)があります。白血球が増加していると、体に細菌やウイルスによる炎症や免疫反応が起こっていることを示します。血液を採取して調べます。

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白血球数の判定値

日本人間ドック学会の判定値
白血球数の判定値 日本人間ドック学会の判定値
白血球数(×103/μL)
異常なし:3.1〜8.4×103/μL
軽度異常:8.5〜8.9×103/μL
要経過観察(生活改善・再検査):9.0〜9.9×103/μL
要治療・要精検:3.0×103/μL以下、10.0×103/μL以上

※医師と患者との会話では3.1は3100と1000倍の値でやりとりします

白血球数検査に関する主な病気

炎症の有無や免疫反応の異常がわかります

白血球とは、血液中の成分の1つで、体の中に入ってきた細菌などの異物から体を守る働きをします。

細菌によって体内に炎症が起こると、それらを排除しようとして白血球が血液中にどんどん出てきます。つまり、血液中の白血球数が増えているということは、体内での炎症や免疫反応が起こっているということなのです。ウイルス感染症では増加、減少など一定していません。

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よくある質問Q&A

白血球が多いと何が怖いの?
白血病など悪性の病気が疑われる
白血球数は運動やストレスでも上昇するなど、変動が大きいため、最初の検査の結果が基準値外の場合、必要に応じて後日、再検査を行います。感染症で異常を示すCRP検査と組み合わせて病態を評価します。一方、喫煙者では常に高値を示します。
基準値に比べ、かなり大きく増加している場合は、白血病など悪性の病気の可能性が出てきます。
監修者プロフィール
和田高士 医師
監修
和田高士(わだたかし) 医師
東京慈恵会医科大学大学院医学研究科健康科学 教授
1981年東京慈恵会医科大学卒業、2008年東京慈恵会医科大学 総合健診・予防医学センター教授を経て、現、東京慈恵会医科大学大学院医学研究科健康科学教授。日本肥満学会評議員、日本動脈硬化学会評議員、日本臨床検査医学会管理医、肥満症診療ガイドラインの執筆も担当。日本人間ドック学会では、理事を務める。