家庭の医学 大全科

健診・人間ドック 検査結果のくわしい解説とQ&A

代謝系の検査

過去1〜2カ月間の血糖の状態がわかる検査
HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)

過去1〜2カ月間の血糖の状態がわかる検査 HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)

HbA1c検査の概要

血液中のブドウ糖と赤血球の内部にあるヘモグロビンが結合してできるのが、HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)です。血液を採取して調べます。

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HbA1c検査の判定値

特定健診の判定値
HbA1c検査の判定値 特定健診の判定値
HbA1c(NGSP値)(%) 
保健指導判定値:5.6%以上
受診勧奨判定値:6.5%以上
日本人間ドック学会の判定値
HbA1c検査の判定値 日本人間ドック学会の判定値
HbA1c(NGSP値)(%)
異常なし:5.5%以下
軽度異常:5.6〜5.9%
要経過観察(生活改善・再検査):6.0〜6.4%
要治療・要精検:6.5%以上

HbA1cに関連する主な病気

HbA1cは、過去1〜2カ月の平均的な血糖値を知る指標です

ヘモグロビン(血色素)は赤血球中の色素たんぱく質で、全身の細胞に酸素を届ける役割を担っています。このヘモグロビンと血液中のブドウ糖(血糖)が結合してできるのがグリコヘモグロビン(糖化ヘモグロビン)です。グリコヘモグロビンには複数の種類があり、HbA1cは、その1つです。HbA1cが多いということは、多くの糖がヘモグロビンに結合していたことになり、最近の血糖値が高かったことを示します。赤血球の寿命は約4カ月(120日)で、その間にヘモグロビンと糖の結合が少しずつ減少していくため、HbA1c値は、過去1〜2カ月の血糖値の平均値を反映しています。

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よくある質問Q&A

この検査で何がわかるの?
血糖値検査では見逃しがちな、食後高血糖の発見にもつながる
HbA1cは、赤血球の寿命(約120日)とともに存在するため、過去1〜2カ月の平均血糖値がわかる検査です。1〜2カ月といった長期の血糖状態を把握するのに有用です。とくに糖尿病治療のコントロール状態を観察するのに利用されます。他疾患があるとHbA1cが変動することから、HbA1cのみで糖尿病の有無を診断することはできません。
監修者プロフィール
和田高士 医師
監修
和田高士(わだたかし) 医師
東京慈恵会医科大学大学院医学研究科健康科学 教授
1981年東京慈恵会医科大学卒業、2008年東京慈恵会医科大学 総合健診・予防医学センター教授を経て、現、東京慈恵会医科大学大学院医学研究科健康科学教授。日本肥満学会評議員、日本動脈硬化学会評議員、日本臨床検査医学会管理医、肥満症診療ガイドラインの執筆も担当。日本人間ドック学会では、理事を務める。