肝臓や腎臓、全身の状態を調べる検査
総たんぱく
総たんぱく検査の概要
総たんぱくとは、血液中のたんぱく質の総量のことです。血液から血球成分などを取り除いた血清中のたんぱく質を測定します。採血して調べます。
総たんぱく検査の判定値
日本人間ドック学会の判定値
- 総たんぱく
- 異常なし:6.5〜7.9g/dL
- 軽度異常:8.0〜8.3g/dL
- 要経過観察(生活改善・再検査):6.2〜6.4g/dL
- 要治療・要精検:6.1g/dL以下 8.4g/dL以上
総たんぱく検査に関連する主な病気
総たんぱく検査は全身状態にもかかわります
血清中には100種類以上のたんぱく質が存在し、それぞれ重要な役割を果たしています。肝臓はたんぱく質をつくる働きがあるため、肝臓の機能が高度に低下すると血清中のたんぱく量は低下します。また、ネフローゼ症候群では、腎臓でたんぱく質をうまく吸収できず尿中に漏れ出すため、たんぱく量が低下します。総たんぱく量は慢性肝炎では高くなるので、高すぎても低すぎても要注意です。慢性的な炎症、全身の栄養状態の慢性的な悪化などでも異常値となります。
よくある質問Q&A
- 高くても低くてもよくないの?
どちらの場合も、詳しい検査が必要です
高い場合も、低い場合も、その原因を突き止めるため、詳しい検査が必要です。血清中の総たんぱくの数値が低い場合は、肝臓や腎臓の異常により、たんぱく質が尿中に漏れ出していたり、全身の栄養状態が悪くなっていることが考えられます。また、高い場合は多発性骨髄腫や慢性炎症などの病気が原因となっていたり、脱水などによって一時的に高まってしまうこともあります。原因を突き止めることが、適切な治療や対処方法につながります。
監修者プロフィール
- 監修
- 和田高士(わだたかし) 医師
- 東京慈恵会医科大学大学院医学研究科健康科学 教授
- 1981年東京慈恵会医科大学卒業、2008年東京慈恵会医科大学 総合健診・予防医学センター教授を経て、現、東京慈恵会医科大学大学院医学研究科健康科学教授。日本肥満学会評議員、日本動脈硬化学会評議員、日本臨床検査医学会管理医、肥満症診療ガイドラインの執筆も担当。日本人間ドック学会では、理事を務める。