肝臓や胆道の異常を調べる検査
総ビリルビン
総ビリルビン検査の概要
血液中の間接ビリルビンと直接ビリルビンの総量を測定する検査です。肝機能や胆道の異常がわかります。採血によって調べます。
総ビリルビン検査の基準値
- 0.2〜1.2 mg/dL以下
- ※検査機関によって異なります。
総ビリルビンに関連する主な病気
ビリルビンは胆汁色素の成分で、一定以上を超えると黄疸症状が現れます
ビリルビンとは、赤血球のヘモグロビンが分解されてできる黄色い色素成分で、胆汁に含まれます。赤血球の寿命は約120日ですが、古くなった赤血球が壊れて現れてくるのが間接ビリルビンで、間接ビリルビンが肝臓で変化してできるのが直接ビリルビンです。これらの総量が総ビリルビンです。肝機能に異常が起きて胆汁がスムーズに流れなくなったり、胆道に異常が起こると直接ビリルビンが血液中にあふれ出ます。ビリルビンが一定以上増えると皮膚や白目が黄色くなる黄疸症状が現れますが、これは重症の肝機能異常のサインです。
よくある質問Q&A
- 総ビリルビンに関して、要再検査といわれたが、自覚症状がないから放置して大丈夫?
心配がない場合もあるが、肝臓、胆道の異常が疑われることも
総ビリルビンは上昇しているが、直接ビリルビンが異常なしの場合、体質性黄疸といってほとんど心配のいらないこともあります。しかし、直接ビリルビンが上昇している場合は肝臓や胆道の異常が疑われるため、必要な検査はきちんと受けて原因を突き止めましょう。
監修者プロフィール
- 監修
- 和田高士(わだたかし) 医師
- 東京慈恵会医科大学大学院医学研究科健康科学 教授
- 1981年東京慈恵会医科大学卒業、2008年東京慈恵会医科大学 総合健診・予防医学センター教授を経て、現、東京慈恵会医科大学大学院医学研究科健康科学教授。日本肥満学会評議員、日本動脈硬化学会評議員、日本臨床検査医学会管理医、肥満症診療ガイドラインの執筆も担当。日本人間ドック学会では、理事を務める。