血液中のブドウ糖の量を測定する検査
空腹時血糖
空腹時血糖検査の概要
血糖とは、血液中のブドウ糖のことです。血糖値は、食事などの影響を受けやすいため、一般的には空腹時に採血をして調べます。
空腹時血糖検査の判定値
特定健診の判定値
- 空腹時血糖(mg/dL)
- 保健指導判定値:100mg/dL以上
- 受診勧奨判定値:126mg/dL以上
日本人間ドック学会の判定値
- 空腹時血糖(mg/dL)
- 異常なし:99mg/dL以下
- 軽度異常:100〜109mg/dL
- 要経過観察(生活改善・再検査):110〜125mg/dL
- 要治療・要精検:126mg/dL以上
空腹時血糖検査に関連する主な病気
空腹時血糖が高いと糖尿病が疑われます
血糖とは血液中のブドウ糖のことで、体のエネルギー源として不可欠です。血糖の量(血糖値)は、食事の影響を受けて変動しますが、インスリンというホルモンによって一定の範囲にコントロールされています。このインスリンの働きが悪くなったり、十分に分泌されていなかったりすると、一定の範囲を超えて高値になります。血糖値が高い状態が続くとさまざまな合併症のリスクが高まり、糖尿病と診断されます。空腹時血糖(食後10時間以上絶食したときの血糖)を測定するのは、食事の内容・量や食事からの時間による影響を受けずに一律に評価ができる長所があるからです。
特定健診では、糖尿病の診断基準よりも少し厳しめ(低め)に判定値を設定して、生活習慣を改善することで、糖尿病に至るのを防ぐことを目的としています。
随時血糖
随時血糖とは、食後からの時間を決めずに測定した血糖をいいます。特定健診では、空腹時血糖もHbA1cも測定できず、やむを得ない場合、食後3.5時間以上経過していれば、随時血糖として測定し、判定してもよいことになっています。
よくある質問Q&A
- なぜ空腹で検査をするの?
食事の影響を受けることなく、血糖値が低い状態の数値を調べるため
健康診断で行われる血糖値の検査は、空腹時血糖検査であることがほとんどです。血糖値は食事の影響を受けてしまうため、前日の夕食後から10時間以上絶食し、次の日の朝に空腹の状態で検査します。血糖値が最も低くなる数値を調べて診断するのです。
空腹時血糖の数値が109mg/dL以下であっても、100〜109mg/dLの人は「正常高値」として区別されます。将来糖尿病になるリスクが高いため注意が必要です。
監修者プロフィール
- 監修
- 和田高士(わだたかし) 医師
- 東京慈恵会医科大学大学院医学研究科健康科学 教授
- 1981年東京慈恵会医科大学卒業、2008年東京慈恵会医科大学 総合健診・予防医学センター教授を経て、現、東京慈恵会医科大学大学院医学研究科健康科学教授。日本肥満学会評議員、日本動脈硬化学会評議員、日本臨床検査医学会管理医、肥満症診療ガイドラインの執筆も担当。日本人間ドック学会では、理事を務める。