家庭の医学 大全科

健診・人間ドック 検査結果のくわしい解説とQ&A

血球の検査

貧血の種類を調べる検査
MCV、MCH、MCHC(赤血球恒数)

貧血の種類を調べる検査 MCV、MCH、MCHC(赤血球恒数)

赤血球恒数検査の概要

血液中の赤血球の大きさや、ヘモグロビンの量・濃度を算出し、どのような種類の貧血なのかを調べる検査です。血液を採取して調べます。貧血の種類を推測した後、さらに精密検査を行います。

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赤血球恒数の基準値

  • MCV:83.698.2fL
  • MCH:27.533.2pg
  • MCHC:31.735.3g/dL
  • ※検査機関によって異なります。

赤血球恒数に関する病気

MCV
(容積)
(fL)
MCHC
(色素量)
(g/dL)
主な貧血の種類
小球性低色素性貧血:ヘモグロビンが減少・MCVが減少 83以下 31以下 鉄欠乏性貧血慢性出血/鉄芽球性貧血/サラセミア症候群 など
正球性正色素性貧血:MCVが正常・ヘモグロビンが減少 84〜99 32〜36 溶血性貧血急性出血腎性貧血再生不良性貧血 など
大球性正色素性貧血:ヘモグロビンが減少・MCVが高値 100以上 32〜36 ビタミンB12欠乏性貧血/葉酸欠乏性貧血/肝機能障害による貧血 など

さまざまな種類の貧血の中からどれに当たるのか調べます

貧血にはいろいろな種類があります。種類によって赤血球の大きさや、その中に含まれるヘモグロビンの量・濃度が違うため、この検査によって、貧血の種類や程度を把握することができます。基準値を外れた場合、その原因を調べるため、さらに詳しい検査をすることになります。

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よくある質問Q&A

MCV、MCH、MCHCとは?
MCVは平均赤血球容積、MCHは平均赤血球ヘモグロビン量、MCHCは平均赤血球ヘモグロビン濃度
MCV(平均赤血球容積)は、赤血球の1個の大きさの平均を計算で求めたものです。
MCH(平均赤血球ヘモグロビン量)は、赤血球1個に含まれるヘモグロビンの量の平均値、MCHC(平均赤血球ヘモグロビン濃度)は、赤血球1個に含まれるヘモグロビンの量を表したものです。
監修者プロフィール
和田高士 医師
監修
和田高士(わだたかし) 医師
東京慈恵会医科大学大学院医学研究科健康科学 教授
1981年東京慈恵会医科大学卒業、2008年東京慈恵会医科大学 総合健診・予防医学センター教授を経て、現、東京慈恵会医科大学大学院医学研究科健康科学教授。日本肥満学会評議員、日本動脈硬化学会評議員、日本臨床検査医学会管理医、肥満症診療ガイドラインの執筆も担当。日本人間ドック学会では、理事を務める。