虫が飛んでいるように見える「飛蚊症」とは?
虫が飛んでいるように見える「飛蚊症」とは?
2018.01.23広告
広告
空や照明器具などの、明るいほうを見たときに、「目の前にゴミや虫のようなものが飛んで見える」、「薄い雲のようなものが視野の中に見える」ということはありませんか? これらは「飛蚊(ひぶん)症」のときに見られる特徴的な症状です。
飛蚊症の多くは、とくに治療の必要なし
飛蚊症の多くは加齢などに伴ってあらわれる生理的なもので、とくに治療の必要はありません。
眼球内は、透明なゼリー状の硝子体(しょうしたい)で満たされています。硝子体は99%以上が水分で、わずかに線維を含んだ物質です。これが加齢などによって水分と線維に分離し、線維の塊が眼球内を浮遊するようになると、その影がゴミや虫(蚊など)のようなものが飛んでいるように見えます。これが生理的な飛蚊症です。
重大な病気のサインの場合もあるので、早めに検査を
注意しなければならないのは、重大な目の病気の兆候としてあらわれる病的飛蚊症です。網膜に穴が開いてしまう「網膜裂孔(れっこう)」、網膜が眼球からはがれてしまう「網膜剥離(はくり)」、ぶどう膜に炎症が起こる「ぶどう膜炎」などがその代表的なものです。
また、糖尿病や高血圧などの病気、けがなどが原因で硝子体の中に出血が起こる「硝子体出血」では、目の前に墨が垂れてきたように見えたり、霧がかかったように見えることがあります。
これらの病気は視力の低下を招き、とくに網膜裂孔や網膜剥離は失明につながる恐れがあります。網膜裂孔の段階であれば、通院でレーザー治療などが行われます。しかし、網膜剥離になると手術が必要となり、早期に適切な治療を受けないと失明のリスクが高いとされています。
このように、飛蚊症の多くは心配のないものですが、まれに重大な病気のサインである場合もあります。飛蚊症の症状に気づいたら、原因を調べるために、早めに眼科で検査を受けましょう。