出産女性の1割弱が「産後うつ」に
出産女性の1割弱が「産後うつ」に
2018.01.15広告
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出産した女性の1割弱が、「産後うつ」にかかるといわれています。出産後に抑うつ状態が続く産後うつは、専門医による治療が必要な病気です。発症や悪化を防ぐためには家族の協力も大切で、少しでもおかしいと感じたら早めに受診しましょう。
気力低下、不眠などの症状が2週間以上続く場合は要注意
気分の落ち込みや不安感、イライラといった症状は、マタニティーブルーでも見られます。しかし、マタニティーブルーは妊娠・出産に伴うホルモンの変化によって起こる正常な反応とされ、その症状は、一般には数日から2週間以内に自然と治まります。
一方、産後うつは心の病的な変化を要因とするもので、出産した女性の1割弱(9%)がかかるといわれています。
(参考)「健やか親子21」最終評価報告書について |報道発表資料|厚生労働省
>最終評価報告書(参考資料7 前半)(99ページ)
先に挙げた症状に加え、不眠、集中力の低下、無気力、食欲減退、疲れやすさ、頭痛、耳鳴り、息苦しさなどが2週間以上続くようなら、産後うつの疑いがあります。
このような状態になると、「自分の子どもなのに、かわいいと思えない」「育児に自信が持てない」「自分は母親失格だ」などと、自分を責めやすくなります。すると、思うように育児ができず、子どもの発達にも影響を及ぼす恐れがあります。さらに重症化すると、幼児虐待や育児放棄、自殺などにつながる危険性が高まるともいわれています。
専門医による治療に加え、家族のサポートも大切
産後うつは専門医による治療が必要な病気であり、早い段階で治療を始めるほど、早い回復が見込めるとされています。治療はカウンセリングのほか、抗うつ薬などによる薬物療法が一般的で、併せて認知行動療法などの心理療法が行われることもあります。重症の場合は、入院治療も検討されます。
産後うつの発症や悪化を防ぐためには、家族や周囲の人のサポートも欠かせません。産後に備えて、妊娠中から家事や育児の分担について相談しておいたり、必要に応じて家事代行サービスを利用するなど、母親の心身の負担をできるだけ軽くすることが大切です。
また、周りの人たちは日ごろから母親の様子にも目を配り、少しでもおかしいと感じたら、早めに専門医を受診するようにすすめてみましょう。