「梅毒」20代女性患者が急増

「梅毒」20代女性患者が急増

「梅毒」20代女性患者が急増

2017.11.28

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「梅毒」という感染症を知っていますか? 主に性交渉によって感染する病気で、ここ数年患者数が急増し、問題となっています。なかでも、心配なのが若い女性患者の増加です。

女性患者では20代前半が最多

2017年の梅毒患者数は10月4日現在で4,245人となり、そのうち女性は約32%。年代別でみると、20代が半数を超えています。特に20代前半は約30%を占め、最も割合が高くなっています。
国立感染症研究所「日本の梅毒症例の動向について」

また、別の調査では、20代前半の女性の感染者が、2016年は2013年の約11倍という報告もあります。
厚生労働省「性感染症報告数」2017年3月現在

梅毒の症状は“あらわれては消える”を繰り返す

梅毒は、梅毒トレポネーマという細菌が性交渉などによってうつる性感染症です。

感染から約3週間は、性器や唇などの細菌が感染した部位にしこりや潰瘍(かいよう)ができたり、リンパ節が腫れたりしますが、数週間でいったん自然に消えます。

数カ月後には、体全体に赤い発疹(バラ疹)があらわれることがあります。これも時間がたつと自然に消えますが、繰り返しあらわれることもあります。

症状がいったん消失することから、梅毒に感染しているという自覚がないまま治療をせずに放置されることも多く、治療を行わないまま進行すると、数年後には、皮膚や骨などにゴムのような腫瘍(ゴム腫)が発生したり、心臓の血管や脳の中枢神経が障害され、死に至る場合もあります。

症状が消えても、ほかの人を感染させるおそれ

梅毒は感染力は強いのですが、抗菌薬が有効で、早期に発見して薬物治療を行えば治る病気です。

症状が出なくなったからといって治療をしないでいると、本人の病状が進行するだけでなく、性交渉でほかの人に感染をうつしてしまうことになります。

妊娠中の母親が感染すると、流産や死産となったり、子どもに重い障害がおきるおそれもあります。

不特定多数との性交渉は避ける

感染を防ぐためには、不特定多数との性交渉を避けるほか、定期的に検査を受けることがすすめられます。また、コンドームの使用は感染のリスクを減らします。感染が疑われる場合は、パートナーとともに早めに医療機関を受診しましょう。

(家庭の医学大全科ウェブサイト 編集部)