非喫煙者も油断禁物─定期的な検診で肺がんの早期発見を

非喫煙者も油断禁物─定期的な検診で肺がんの早期発見を

非喫煙者も油断禁物─定期的な検診で肺がんの早期発見を

2020.09.07

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日本人のがん死亡数の第1位は肺がんで、年間7万人以上の人が肺がんで亡くなっています。肺がんは、初期には自覚症状が現れにくいため、気づかないまま病気が進行してしまう危険があります。手遅れにならないためにも、定期的に検診を受け、早期発見に努めることが大切です。

約6割を占める腺がんは、非喫煙者に多い

肺がんとは、気管や気管支、さらに気管支から細かく枝分かれした先にある肺胞の細胞に発生したがんをいいます。

肺がんは、がんの組織の状態により、小細胞がん非小細胞がんに大別されます。さらに、非小細胞がんには、腺がん、扁平上皮がん、大細胞がんという3つのタイプがあります。

このうちもっとも多いのは腺がんで、肺がん全体の約6割を占めます。腺がんは、非喫煙者に多くみられ、なかでも家族に喫煙者がいる女性がかかりやすい傾向があります。肺の奥のほうにできるため、症状が現れにくいのも特徴です。

次に多いのが、扁平上皮がんです。喫煙者に多くみられ、比較的早いうちから、咳や血痰などの症状が現れます。

同じく喫煙と関係が深いのが、小細胞がんです。扁平上皮がんと小細胞がんは、いずれも進行が速く、命にかかわる危険が高いとされています。

もっとも割合が少ないのが大細胞がんで、男性が発症しやすく、進行が速いのが特徴です。

喫煙者は肺がんリスクが4倍以上!

肺がんのリスクを上げる最大の危険因子が、喫煙です。喫煙者が肺がんになる危険度を非喫煙者と比較すると、男性は4.5倍、女性は4.2倍高くなることがわかっています。また、男性の肺がんの68%、女性の肺がんの18%は、喫煙が原因となっています。

ただし、非喫煙者であっても油断はできません。前述のとおり、腺がんは非喫煙者に多くみられますが、たばこを吸わない女性の腺がんのうち、37%は夫からの受動喫煙が原因です。

40歳になったら年1回、肺がん検診を

肺がんは進行すると治療が困難になるだけでなく、5年生存率も大幅に減少します。こうしたことから、国は早期発見のために、40歳以上の人に年1回の肺がん検診受診を推奨しています。

自治体の住民健診では、問診と胸部X線検査が行われます。50歳以上で喫煙指数(1日の喫煙本数×喫煙年数)が600以上の場合は、喀痰細胞診も行われます。症状のある、なしに関わらず、40歳になったら定期的に検診を受けましょう

喫煙者は禁煙し、非喫煙者は受動喫煙を避ける、定期的な検診受診が重要です。

(家庭の医学大全科ウェブサイト 編集部)