長引く不快な胸焼けは、胃食道逆流症が原因かも
長引く不快な胸焼けは、胃食道逆流症が原因かも
2020.07.06広告
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胃酸が食道に逆流してしまう胃食道逆流症。食生活の欧米化などが原因といわれ、近年、日本でも患者数が増加傾向にあります。命に関わる病気ではないものの、不快な症状により日常生活に支障をきたすことも多いため、適切に対処することが大切です。
特徴的な症状は胸やけと呑酸(どんさん)
胃食道逆流症は、胃酸や胃で消化中の食物が、胃から食道へ逆流し、食道の粘膜を傷つけたり、さまざまな不快症状を引きおこしたりする病気です。
代表的な症状として、のど元からみぞおちにかけて焼けるような感じがする胸やけ、酸っぱいものがこみあげてくる感じがする呑酸があげられます。
胃酸は非常に強い酸性ですが、胃の粘膜には胃酸から胃を守る機能が備わっています。一方、食道の粘膜にはそのような機能がないため、逆流した胃酸にさらされると炎症をおこしてしまうのです。
食道に炎症がないのに症状が現れるタイプも
胃食道逆流症がおこる原因の1つが、下部食道括約筋のゆるみです。下部食道括約筋とは食道と胃の境目にある筋肉で、通常は閉じていて、胃酸や食物が食道に逆流するのを防いでいます。しかし、加齢や食事内容、肥満、姿勢などにより下部食道括約筋がゆるむと、胃酸が逆流しやすくなります。
そのほか、胃酸過多、食道粘膜の知覚過敏なども胃食道逆流症の原因となります。
胃食道逆流症には2つのタイプがあり、1つは胃酸によって食道の粘膜に炎症がおこる「逆流性食道炎」で、食べすぎ、早食い、肥満などが要因と考えられています。もう1つは炎症が認められないのに胸やけなどの症状が現れる「非びらん性胃食道逆流症」で、ストレスを感じやすい人、若い人、女性、やせ型の人に多い傾向があります。
予防・治療には生活習慣の改善が不可欠
胃食道逆流症は、胃酸の分泌を抑える薬などを用いることにより、症状を改善することができます。ただし、これらの薬は胃酸の逆流そのものを抑えるわけではないので、並行して生活習慣を改善することが大切です。
食事は、食べすぎや早食いを避け、ゆっくりよくかんで食べること。脂肪の多い食品やアルコール、チョコレート、炭酸飲料などは胃酸の分泌をふやしたり、下部食道括約筋の働きを弱めたりする作用があるので、控えめにしましょう。また、食後すぐに横になると胃酸が逆流しやすくなるため、夕食は寝る3時間前までにすませるようにします。
そのほか、肥満の人は適正体重まで減量する、喫煙者は禁煙する、体を締め付ける衣服は避ける、ストレスをためない、といったことを心がけることも大切です。