7月28日は「世界肝炎デー」C型・B型肝炎ウイルス検査を受けよう

7月28日は「世界肝炎デー」C型・B型肝炎ウイルス検査を受けよう

7月28日は「世界肝炎デー」C型・B型肝炎ウイルス検査を受けよう

2020.07.22

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7月28日は「世界肝炎デー」です。日本人の肝がんの約8割はC型・B型肝炎が原因ですが、肝炎ウイルスの感染に気づかずにいる人は100万人以上いるとされています。肝がんを防ぐためにも、一生に一度は肝炎ウイルス検査を受けることが大切です。

肝炎ウイルスの感染リスクが高い人とは?

C型肝炎は、主にC型肝炎ウイルスに感染した血液を介して感染します。1992年以前に輸血を受けた人は、感染している危険性が高いと考えられます。なぜなら、1992年以前は血液製剤を調べる精度の高い検査体制が確立しておらず、輸血により感染した可能性があるためです。また、1988年以前に集団で予防接種を受けた人も、注射器の使い回しが行われていた可能性があり、リスクが高くなります。

そのほか、不衛生な状態でのピアスの穴開けや入れ墨、カミソリや歯ブラシの共用などにより感染する危険もあります。

一方、B型肝炎の原因であるB型肝炎ウイルスは、血液や体液を介して感染します。主な原因は、出産前後の母子感染と、B型肝炎ウイルス感染者との性交渉です。

いずれも肝硬変や肝がんに進む危険が

C型肝炎は、ウイルスに感染して急性肝炎を発症しても、約3割の人は自然に治癒します。しかし、約7割の人は慢性肝炎へ進行し、さらに肝硬変、肝がんへと進行する危険があります。かつては治療が難しいといわれていたC型肝炎ですが、現在は肝臓からウイルスを排除する抗ウイルス薬が登場し、ほとんどの患者さんが治る病気となっています。

B型肝炎は、ウイルスに感染して肝炎や急性肝炎を発症した後、ウイルスの遺伝子変異により肝炎が鎮静化したり、免疫の働きで自然に治癒したりする場合もあります。しかし、一部の人では肝硬変や肝がんに進む危険があります。

B型肝炎ウイルスは完全に排除するのが難しいため、抗ウイルス薬の服用やインターフェロンの注射により、ウイルスの増殖を抑えるための治療が行われます。

将来のリスクを減らすためにも積極的に検診の受診を

C型肝炎、B型肝炎ともに、他人の血液に触れるなどでウイルスに感染する可能性は誰にでもあります。そのため、一生に一度は肝炎ウイルス検査を受けることがすすめられます。

検査は血液検査で、C型とB型両方の肝炎ウイルスの感染の有無を調べることができます。肝炎ウイルス検査は、自治体の住民健診や保健所などで、少額の負担で受けることができます(自治体によっては無料の場合もある)。

とくに、健康診断で肝機能の状態を表す値(ALTやAST)が悪い人は、肝臓の病気が潜んでいる可能性があるため、早めに検査を受けるようにしましょう。

(家庭の医学大全科ウェブサイト 編集部)