子どもに増えている花粉症…特徴的な症状を見逃さないで

子どもに増えている花粉症…特徴的な症状を見逃さないで

子どもに増えている花粉症…特徴的な症状を見逃さないで

2020.04.06

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春が発症のピークとなるスギ花粉症。大人だけでなく、近年は子どもの花粉症が増えており、発症年齢の低年齢化が進んでいます。小さな子どもは自分で症状が伝えられず、花粉症が放置されてしまう場合もあるため、周りの大人が目を配り、適切な対策をとることが大切です。

14歳以下の約4割がスギ花粉症を発症

2008年に実施された全国実態調査によると、スギ花粉症の有病率は、5~9歳で13.7%、10~19歳で31.4%。また、2016年に都内で実施された調査でも、0~14歳のスギ花粉症有病率は40.3%と高い割合が示されました。

子どもの花粉症が増えているのは、スギ花粉の飛散量の増加や大気汚染、生活環境の変化などが要因ではないかと考えられています。

目の充血、まぶたの腫れ、鼻づまりがおこりやすい

子どもの花粉症でも、大人と同様に、くしゃみ、鼻水、鼻づまりといった代表的な症状がみられます。これらは風邪症状と区別がしづらいですが、毎年同じ時期に症状が現れ、なおかつ目のかゆみをともなう場合は、花粉症の可能性が高いと考えられます。

目がかゆいと、子どもはがまんできずにこすってしまうため、目の充血やまぶたの腫れが多くみられます。また、鼻の穴が小さいため鼻がつまりやすく、その結果、口呼吸をしやすくなります。

花粉症を見逃さないためには、こうした特徴的な症状がないか注意深く観察することが大切です。

日常的には花粉を体内に取り込まない工夫を

子どもの花粉症の治療は、基本的には大人と変わりません。症状に応じて、抗ヒスタミン剤やステロイド剤の飲み薬、点鼻薬、点眼薬などを用い、症状をやわらげます。最近は、小児に使用しても眠気がおこらないタイプの薬も増えているなど、薬の選択肢も広がっています。

また、根治が期待できる治療法としては、舌下免疫療法があります。これは、アレルギーの原因物質(抗原)を舌下投与で少しずつ体内に入れ、アレルギー反応を弱めていく治療法です。5歳以上の小児にも健康保険が適用されますが、治療には3~5年かかります。

花粉症対策の原則は、できるだけ花粉を体内に取り込まないことです。

花粉の飛散量の多い日はなるべく外出を控え、外出する場合はマスク、メガネ、帽子などで鼻や目からの花粉の侵入を防ぎます。外出先から帰ったら、家に入る前に体についた花粉をよく払い、手洗い、うがい、洗顔をします。

そのほか、部屋をこまめに掃除する、窓を長時間開けっ放しにしない、洗濯物や布団の外干しは控える、といったことも心がけましょう。

(家庭の医学大全科ウェブサイト 編集部)