若い世代に多い子宮頸がん─2年に1回検診を

若い世代に多い子宮頸がん─2年に1回検診を

若い世代に多い子宮頸がん─2年に1回検診を

2019.11.05

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子宮頸がんは、30代を中心に増加傾向にあり、日本では毎年約1万人の女性が子宮頸がんにかかっています。早期に発見して適切な治療を受ければ、体への負担も少なく、その後の妊娠・出産も可能です。そのためには、定期的に検診を受けることが大切です。

発症のピークは30歳代後半

子宮がんには、子宮の入り口(子宮頸部)にできる子宮頸がんと、子宮の奥(子宮体部)にできる子宮体がんがあり、子宮頸がんは子宮がんのうち約7割を占めています。

子宮頸がんは、がんの中でも20~30歳代の若い世代に多くみられるのが特徴で、30歳代後半が発症のピークとなっています。

早期は無症状のため、進行前に発見するには定期検診が不可欠

子宮頸がんの多くは、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染がもとになって発症すると考えられています。HPVは性交渉によって感染するありふれたウイルスで、性交経験のある女性の80%以上は生涯に一度は感染するといわれています。

HPVに感染しても、多くは免疫の力で自然に体外に排出されます。しかし、ウイルスが排出されずに感染が長期間持続すると、前がん病変(がんの前段階の状態)を経て、子宮頸がんに進行します。子宮頸がんが発生するまでには、HPV感染から通常数年~10年以上かかります。

一般に、前がん病変や早期のがんの段階では無症状で、がんが進行して初めて不正出血などの症状が現れます。そのため、早期に発見するためには定期的な検診が欠かせません

検診で前がん病変まで見つけられ、がんの発症を防ぐことも可能

国は、20歳以上の女性を対象に2年に1回、子宮頸がん検診を受けることを推奨しています。検診では、子宮頸部の表面を器具でこすって細胞を採取し、顕微鏡で観察する細胞診が行われます。細胞診で異常が見つかった場合には、組織診(生検)やコルポスコープ診(膣拡大鏡による診察)などの精密検査でさらにくわしく調べます。

細胞診では前がん病変まで見つけることができるため、がんになる前に治療を開始できます。前がん病変でがんと区別がつきにくい場合や、早期のがんの場合には、円すい切除術という手術が行われます。これは、子宮頸部の組織を円すい状に切除する方法です。この手術では子宮を温存することができ、その後の妊娠・出産も可能です

しかし、がんが進行すると、子宮や周辺の臓器まで切除しなければならないなど、治療による体への負担も大きくなってしまいます。そうした事態を避けるためにも、定期的に検診を受けましょう。

(家庭の医学大全科ウェブサイト 編集部)