女性の病気と妊娠・出産

ヒトパピローマウイルス(HPV)

分類:女性の病気と妊娠・出産

広告

広告

 ヒトパピローマウイルス(HPV)と子宮頸がんの関係が注目されるようになったのは、子宮頸がんの生検(組織の一部を採取して調べる検査)材料から1983年にHPV16型、1984年にHPV18型が見つかり、これらが子宮頸がんの組織に高率に検出されることが報告されたためです。

 HPVの型は極めて多様で、現在までに80を超える型に番号が与えられています。さらに新たな型が発見されており、実際には100を超える型が存在すると考えられています。

 そのうち、婦人科領域に関連の深い型は30以上あります。6型と11型は外陰や子宮頸部などの尖圭コンジローマを生じることが知られており、16・18・31・33・35・45・51・52・56・58・59・61・66・68型などは子宮頸がん、およびその前駆病変である異形成から検出されます。

 HPVは広く蔓延しており、性交渉の経験があれば一生の間には半数以上の女性が感染すると考えられています。感染が成立しても、明らかな病変をつくるのはその一部であることもわかっています。

(がん・感染症センター都立駒込病院婦人科医長 八杉利治)