冬は要注意!ノロウイルス感染症を防ぐには?
冬は要注意!ノロウイルス感染症を防ぐには?
2018.11.19広告
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冬に流行する「ノロウイルス感染症」。ノロウイルスは感染力が非常に強いことが特徴です。徹底して予防に努めるとともに、感染を広げないための正しい対策を覚えておきましょう。
ごく少量のウイルスでも感染する
ノロウイルスによる食中毒や胃腸炎は、例年11月から翌年の3月にかけて多く発生しています。
ノロウイルスに感染すると、1~2日の潜伏期間を経て、激しい嘔吐や下痢などの症状があらわれます。健康な人であれば1~2日で自然に回復しますが、乳幼児や高齢者といった抵抗力の弱い人は重症化する危険があります。一方で、感染しても発症しない人や、軽い風邪のような症状がみられるだけの人もいます。
ノロウイルスが怖いのは、ほんの10~100個程度のウイルスが体内に入っただけで感染してしまうこと。さらに、このような強力なウイルスが、感染者の嘔吐物や便には大量に含まれていることです。
感染源は、「食品」よりも「人から人へ」が大多数
ノロウイルスは、汚染されたカキなどの二枚貝を生、あるいは加熱不十分で食べた場合に感染することがよく知られています。しかし、二枚貝が感染源であるケースはごく一部で、人から人へ感染するケースが大半を占めています。
たとえば、調理をする人がノロウイルスに感染しており、その人が触れてウイルスに汚染された食品をほかの人が食べて感染するケースです。また、手すりやドアノブを触ったり、感染者の嘔吐物や便の処理をしたりした際にウイルスが手につき、その手で食品を食べたり、口元を触ったりすることでも感染することがあります。
予防のためには手洗い・消毒を徹底し、食品は十分に加熱を
ノロウイルスの感染を予防するには、手洗いと消毒を徹底することが何よりも重要です。
石けんで手洗いを
調理の前後や食事の前、トイレの後などは、石けんを使ってしっかりと手を洗いましょう。手洗い後は、できれば使い捨てのペーパータオルで拭くとより安全です。ノロウイルスの流行期は、外出先で公共のトイレを使用したときも要注意。便器のふたや便座、レバー、ドアノブなどにウイルスが付着している可能性があるので、使用後は石けんで手を洗っておきましょう。
塩素濃度200ppmの消毒液で消毒を
感染者の嘔吐物を処理するときは、使い捨ての手袋やマスク、エプロンを着用し、次亜塩素酸ナトリウムで拭いてしっかり消毒します。消毒液の塩素濃度は200ppmが目安となり、家庭用の塩素系漂白剤20ml(キャップに約1杯)を水5Lで薄めたもので代用できます。また、最近の実験結果では、消毒用エタノールなどのアルコールによる消毒も、ノロウイルスにある程度有効であることがわかっています。
食品は中心部まで加熱
ノロウイルスによる食中毒を防ぐには、食品を十分に加熱する必要があります。食品の中心温度85~90℃以上で90秒以上の加熱をすることで、ノロウイルスを死滅させることができます。
また、まな板や包丁などの調理器具や食器、ふきんなどは、85℃以上の熱湯で1分以上の加熱、もしくは塩素濃度200ppmの消毒液で消毒してください。
もちろん、嘔吐や下痢などの症状がある人や、ノロウイルス感染の疑いがある人などは、調理や食品を直接取り扱うことは避けてください。