重大な病気を招く「血糖値スパイク」とは?
重大な病気を招く「血糖値スパイク」とは?
2018.11.06広告
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近年、注目を集めている「血糖値スパイク」とは、食後に血糖値が急上昇・急下降すること。放置していると、命にかかわる病気を引き起こす危険が高まります。血糖値スパイクが起こる仕組みや、予防と改善について紹介します。
食後の短時間に血糖値の急激な変化が起こる
食事をすると、炭水化物などの糖質は体内でぶどう糖に分解・吸収され、血液中のぶどう糖濃度(血糖値)が上昇します。すると、すい臓からインスリンというホルモンが分泌され、その働きによってぶどう糖は細胞へと取り込まれて血糖値は低下します。これに対して、常に血糖値が高い状態が続くのが「糖尿病」です。
「血糖値スパイク」は、正式には「食後高血糖」といいます。折れ線グラフで食後の血糖値の変化を表すと、急上昇と急下降で鋭くとがった“スパイク状”になることから、この名で呼ばれるようになりました。食後の短時間に血糖値の乱高下が起こる状態を放置すると、糖尿病に移行するリスクが高くなることがわかっています。そのため、血糖値スパイクは糖尿病の前段階ともいわれています。
血糖値スパイクは、一般的な健康診断では見つけにくい
血糖値スパイクで血糖値が高くなるのは食事の直後のみで、血糖値の上昇は一過性です。そのため、空腹時に測る空腹時血糖や、検査前2カ月間の血糖の平均値を表すヘモグロビンA1cの検査値は、多くの場合正常な範囲にとどまっています。そのため、一般的な健康診断で行われる血液検査では、血糖値スパイクを発見することが困難です。
血糖値スパイクを起こしやすいのは、次のような人です。
- 早食い
- 脂っこい料理が好き
- 甘い清涼飲料水や、炭水化物中心の食事を多くとる
- 運動不足やドカ食いで、20歳のころより10kg以上太った
- 脂肪肝である
- 近い血縁者に糖尿病患者がいる など
血糖値の急上昇・急下降は血管を傷つけ、命にかかわる病気を招く危険が
血糖値スパイクを起こしやすいのは、インスリンの効きが悪くなっている人や、インスリンの分泌が少ない人などで、食後の血糖値の急上昇を抑えることができません。しかし、血糖値の急上昇を感知した体は、それに見合ったインスリンを過剰に分泌するため、今度は血糖値が急下降します。
これを繰り返していると、インスリンを分泌する膵臓に過重な負担がかかって働きが悪くなっていきます。やがて、十分なインスリンの分泌ができなくなって、糖尿病を発症する危険性が高くなります。
また、血糖値の急激な上下によって血管が傷つくため動脈硬化が進行しやすくなり、脳卒中や心筋梗塞などの命にかかわる重大な病気を招く危険が高まります。
血糖値の急上昇・急下降を防ぐ食事と運動のコツ
糖尿病や、さらには重大な病気を招く血糖値スパイクは、早めの対策によって予防・改善をすることができるとされています。生活スタイルを見直して、次のような対策に取り組みましょう。
食事は、最初に野菜から食べる
食べる順番を、①野菜などの食物繊維→②肉や魚などのたんぱく質→③ご飯などの炭水化物、に変えることで、食後の血糖値の急上昇を抑える効果があるといわれています。
野菜や海藻、きのこ類などに豊富な食物繊維には、腸内での糖質吸収をゆるやかにする働きがあります。そのため、最初に食物繊維、次に肉や魚などのたんぱく質、最後にごはんやめん類などの炭水化物をとることで、食後の血糖値の上昇がゆるやかになります。
また、食事は1日3食をなるべく決まった時間に食べること、よくかんでゆっくり食べることも大切です。早食いをすると、食物繊維を先に食べる効果が失われてしまいます。
食後に軽く運動をする
血糖値が上昇してくるのは、食後15~30分ごろ。このタイミングで軽い運動をするのもおすすめです。運動をすると、筋肉を動かすエネルギー源としてぶどう糖が使われるため、血糖値が低下しやすくなります。有酸素運動でも筋トレでも効果が期待できるので、食後の散歩や階段の上り下り、スクワットなどの軽い運動を習慣にしましょう。