RSウイルス感染症―乳幼児の肺炎の大きな原因に

RSウイルス感染症―乳幼児の肺炎の大きな原因に

RSウイルス感染症―乳幼児の肺炎の大きな原因に

2018.10.09

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RSウイルス感染症は、乳幼児がかかりやすい呼吸器の病気です。生後数カ月以内に初感染した場合は重症化しやすく、肺炎や細気管支炎を起こす場合もあります。低出生体重児や基礎疾患のある小児も重症化しやすいため、十分な注意が必要です。

低出生体重児、基礎疾患・免疫不全がある小児は重症化しやすい

RSウイルス感染症は1歳までに半数以上、2歳までにほぼ100%の乳幼児がかかるとされ、生涯にわたって再感染がみられます。従来は秋から冬にかけて患者が増え、インフルエンザより少し早い12月ごろに流行のピークがみられていました。しかし2016年以降は、夏ごろから流行が始まって秋にピークとなるなど、流行が早まる傾向にあります。

原因となるRSウイルスに感染すると、一般に4~6日の潜伏期間を経て、発熱、鼻水、咳などの症状があらわれます。多くの場合、軽い風邪のような症状で、1週間程度で回復します。しかし、RSウイルスに初めて感染した生後数週間から数カ月の乳児や、心臓や肺の持病がある乳幼児や、低出生体重児などは、重症化しやすいといわれています。

乳幼児の肺炎、細気管支炎の半数以上はRSウイルスが原因

RSウイルス感染症が重症化すると、咳の悪化、喘鳴(呼吸するときにゼーゼーと音がすること)、呼吸困難などの症状があらわれ、肺炎や細気管支炎へと進行する危険があります。乳幼児における肺炎の約50%、細気管支炎の50~90%はRSウイルスが原因であり、また、年長の小児においても気管支炎の10~30%はRSウイルスが関与していると考えられています。

また、RSウイルス感染症には特効薬がないため、治療は対症療法が中心です。発熱に対しては解熱薬、呼吸器症状に対しては咳止め薬や気管支拡張薬などが用いられます。生後2~5カ月の乳児では、入院治療をするケースも少なくありません。

重症化のリスクが高い乳幼児に対しては、症状の重症化を抑える注射薬が投与されることがあります。対象となるかどうかは、主治医に確認してください。

感染を防ぐには咳エチケットや手洗いの徹底を

RSウイルスの主な感染経路は、感染者が咳やくしゃみをした際に飛び散るしぶきを吸いこむことによる飛沫感染と、ウイルスがついている手指や物(ドアノブ、手すり、おもちゃ、など)を介しての接触感染です。これらを防ぐには、マスクの着用や咳エチケット、石けんを使ったこまめな手洗い、乳幼児がよく触れるものをこまめに消毒する、などを徹底することが重要です。

一方、年長児や成人では発症しても症状が軽いため、RSウイルス感染症と気づかずに乳幼児と接して、感染を拡大させてしまう危険があります。そのため、たとえ軽症でもかぜ症状がある場合には、咳エチケットや手洗いを徹底することが大切です。

(家庭の医学大全科ウェブサイト 編集部)