子どもに流行する三大夏かぜとは?
子どもに流行する三大夏かぜとは?
2018.07.09広告
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「手足口病」、「ヘルパンギーナ」、「咽頭結膜熱(プール熱)」は、夏になると子どもたちの間で流行する感染症で、「三大夏かぜ」とも呼ばれます。それぞれの病気の特徴と、家庭での対処法を覚えておきましょう。
発疹の出る場所や痛みのあらわれ方に特徴が
手足口病とヘルパンギーナはエンテロウイルス、咽頭結膜熱はアデノウイルスが原因で起こる感染症です。いずれのウイルスも高温多湿の環境を好むため、夏に流行がみられます。
手足口病
手のひら、足の裏、口の中やのど、ひざ、ひじ、お尻などに、水ぶくれを伴った特徴的な発疹ができます。口の中の発疹は痛みを伴うため、食事を嫌がることがあります。通常、熱は出たとしても微熱程度で、1~3日で下がります。
ヘルパンギーナ
とくに1歳ごろの幼児に多くみられる病気です。突然、38~40℃の高熱が出て、のどの奥に小さな赤い発疹ができ、それが水ぶくれになることもあります。発疹は強い痛みを伴うことが多いため、食べ物だけでなく水を飲み込むのもつらくなる場合があります。
咽頭結膜熱
小学生以下を中心に流行がみられます。40℃近い急な発熱で発症し、のどの強い痛みや結膜(白目の部分)の充血などがみられます。プールで感染が広がることが多かったことから「プール熱」とも呼ばれますが、それ以外の場所でも感染することがあります。
水分補給が最優先。室内は適温に設定を
これらの感染症にはいずれも特効薬はなく、治療はそれぞれの症状に対する対症療法が中心となります。子どもが発熱した場合は、あわてずに様子をよく観察してください。
発熱以外に大きな変化がない場合は、脱水症状を起こさないようにこまめに水分補給をしながら、安静にさせましょう。のどの痛みなどで食事を嫌がる場合は無理にとらせずに、水分補給を優先してください。少しでも口にできそうになったら、のどごしがよいプリンやゼリー、冷ましたおかゆ、野菜スープ、豆腐、などをとらせるとよいでしょう。
また、市販の解熱薬を使う場合は、必ず子ども用のものを使うこと。大人用を子どもに使うと重い副作用の恐れがあるので、絶対にやめてください。無理に汗をかかせるようなことは避けます。室内はエアコンを使って寝苦しくない程度の温度に調整したうえで、直接冷風が当たらないようにしましょう。室内の冷やしすぎはよくありません。
合併症の危険もあるため、異変がみられたらすぐ受診を
また、上記の三大夏かぜは、まれではありますが急性脳炎や無菌性髄膜炎などの重い合併症を引き起こす場合があります。
もし、2~3日たっても熱が引かない、顔色がよくない、吐いた後ぐったりしている、いつもと比べて言動がおかしい、呼び掛けても反応が鈍い、ひきつけを起こす、といった症状があれば、すみやかに医療機関を受診するようにしてください。