再発を繰り返すやっかいな「性器ヘルペス」
再発を繰り返すやっかいな「性器ヘルペス」
2018.06.11広告
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性器ヘルペスは、主に性的接触によってうつる性感染症です。一度感染すると、治ったあとも再発を繰り返すことがあります。
一度感染すると、8割以上が再発
性器ヘルペスは、単純ヘルペスウイルス(HSV)が原因で起こります。HSVには1型と2型があり、性器などの下半身に感染することが多いのは2型です。
HSVは主に感染者との性行為で感染します。しかし、HSVに感染していてウイルスを排出しているのに無症状の人も多く、本人も気づかずにほかの人にうつしてしまうことがあります。
HSVに初めて感染しておこる症状を「急性型(初発型)」といいます。感染から2~10日の潜伏期間を経て、男女ともに外陰部に痛みを伴う水疱(すいほう=水ぶくれ)や潰瘍(かいよう=ただれ)が現れます。
そのほかに、発熱や全身の倦怠感、太もも付け根のリンパ節の腫れや痛みなども多くみられます。とくに女性では、歩行や排尿が困難になるほど強い痛みがみられることがあります。
HSVがやっかいなのは、一度感染すると治ったあともウイルスが神経節に潜伏し続け、何らかのきっかけで再発を繰り返すことです。再発の引き金になるのは、体調不良や過労、ストレス、月経、性行為などです。
一般に、HSVの症状は初感染したときの「急性型(初発型)」が最も重いといわれ、再発時の症状である「再発型」は比較的軽く、水疱や潰瘍は小さく、発熱やリンパ節の腫れなどもほとんどみられません。
再発を繰り返す場合には、薬を継続服用する治療法も
性器ヘルペスの治療に使われるのは抗ウイルス薬です。通常、症状が強い場合は内服薬、軽い場合は軟膏が使われます。重症の場合は、点滴治療が行われることもあります。また、年に6回以上再発を繰り返す人では、継続して抗ウイルス薬を服用し、ウイルスの増殖を抑える治療法もあります。
HSV感染に気づいたら、パートナーとともに医療機関を受診して治療を受けましょう。
妊娠中の女性が性器ヘルペスを発症しても、胎児に影響することはないとされています。しかし、出産時に発症していると産道で赤ちゃんにウイルスが感染し、新生児ヘルペスを発症する危険が高くなります。
新生児ヘルペスは、脳炎や内臓障害などの重い症状を引き起こす死亡率の高い病気です。そのため、感染予防のために帝王切開を行うのが一般的です。妊娠中の方は、主治医とよく相談するようにしましょう。