粉瘤(アテローム)は自然に治る?治療法は?

粉瘤(アテローム)は自然に治る?治療法は?

粉瘤(アテローム)は自然に治る?治療法は?

2025.09.05

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皮膚の表面に半球状のしこりができる粉瘤。経過観察で問題ない場合もありますが、炎症を起こして重症化することもあります。大きくなったり、痛みが生じたりした場合は、早めに医療機関に相談しましょう。

角質や皮脂がたまってできる良性のしこり

粉瘤(アテローム)とは、皮膚の下にできる良性の腫瘍です。

皮膚の内側に袋状のものが形成され、本来は外に排出されるはずの角質や皮脂が、その袋の中にたまり、半球状に盛り上がったしこり(嚢腫)ができます。

この嚢腫の中心部には開口部である小さな黒い点がみられることが多く、強く圧迫すると悪臭を伴う粥状(じゅくじょう)の内容物が出てくることがあります。

大きさは数㎜から10㎝以上とさまざま

粉瘤は、体のどこにでもできますが、とくに顔や頭、首、背中、耳のうしろなどに発生しやすい傾向があります。大きさは数㎜ほどの小さなものから、10㎝以上の大きさになるものまでさまざまです。

原因ははっきりとわからないことが多いものの、けがなどによる小さな傷やウイルス感染などが影響していると考えられています。角質や皮脂がたまってできることから、皮膚を不潔にしていたことが原因と思われがちですが、清潔にしていても起こります。

局所麻酔による日帰り手術が可能

粉瘤は良性の腫瘍のため、炎症や痛みなどの症状がなければ経過観察で様子をみることもあります。

ただし、見た目の問題や破裂の可能性がある場合などは治療が必要です。粉瘤の多くは、放置すると徐々に大きくなることがあります。また、細菌感染などで炎症が起こると、赤く腫れたり、痛みを伴ったりするほか、嚢腫が破裂して膿が出ることもあります。

内容物を無理に押し出そうとすると、感染が周囲に広がって重症化する場合もあるため、粉瘤が気になる場合は、早めに皮膚科を受診しましょう。

治療は、手術による切除が基本です。表面の皮膚を紡錘形に切開して嚢腫を摘出し、皮膚を縫合します。

このほか、「へそ抜き法(くり抜き法)」と呼ばれる手術法もあります。粉瘤の中心にある開口部に、直径4㎜ほどの円筒状のメスで小さな穴を開け、皮膚とともに袋状の部分を取り除く方法です。いずれも巨大な嚢腫でなければ、局所麻酔による日帰り手術が可能です。

(家庭の医学大全科ウェブサイト 編集部)