歯周病菌が引き起こす、命にかかわる誤嚥性肺炎
歯周病菌が引き起こす、命にかかわる誤嚥性肺炎
2023.01.05広告
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高齢者に多くみられ、日本では男女ともに死因の第6位となっている誤嚥性肺炎。実は、誤嚥性肺炎の多くは歯周病菌が原因で引き起こされるため、若いうちから口腔ケアをしっかり行い、歯周病菌を増やさないようにすることが大切です。
飲み込む機能の衰えにより、細菌が肺に入り込む
私たちが食べ物やだ液を飲み込むとき、気管の入り口にある喉頭蓋(こうとうがい)という弁が気管をふさぎ、次の瞬間、食道の入り口が開いて、食べ物やだ液が食道に送り込まれます。万一、食べ物などが気管に入ってしまっても、通常はむせることにより気管から異物を排出します。
しかし、加齢などによりこうした機能が衰えると、排出できなかった異物が誤って気管から肺に入ってしまいます(誤嚥)。その際に唾液中の細菌などが、肺の中で炎症を起こします。これが誤嚥性肺炎です。
誤嚥性肺炎以外にも、歯周病は全身の病気のリスクを高める
誤嚥性肺炎を引き起こす細菌は、主に歯周病の原因となる歯周病菌であるといわれています。実際、高齢者や認知症の人、寝たきりの人など、口腔内を十分清潔に保つことが難しい人では、誤嚥性肺炎を起こしやすくなります。
歯周病というと中高年期以降にかかる病気と思われがちですが、20代で発症する人もいます。また、歯周病は、誤嚥性肺炎以外にも、糖尿病や脳梗塞、心臓病、慢性腎臓病、非アルコール性脂肪性肝炎、早産・低体重児出産、がんなど、全身のさまざまな病気のリスクを高めることもわかっています。
そのため、これらの病気を予防するためにも、若いうちから歯周病菌を減らすための口腔ケアを習慣づけることが大切です。
正しい歯磨きの方法を身につけ、特に夜はていねいに
歯周病菌は、歯の表面に付着しているプラーク(歯垢:しこう)の中に存在しているので、毎日の歯磨きでプラークをしっかり取り除くことが重要です。
歯磨きを正しく行うためには、①歯ブラシはヘッド(毛が植えられている部分)が小さめで毛が密集したものを選ぶ、②歯ブラシは鉛筆を持つように握る、③磨くときは力を入れすぎない、④毛先を小刻みに動かしながら1本ずつ磨く、⑤磨く順番を決めて一筆書きするようにまんべんなく磨く、といったことを意識しましょう。
歯磨きは、毎食後行うのが基本です。特に夜は、時間をかけてしっかり磨きましょう。なぜなら、睡眠中はだ液の分泌量が減るため、口の中に細菌が長くとどまり、繁殖しやすくなるからです。
また、口の機能の衰えを予防するためには、うがいが有効です。食後や帰宅後などに、ガラガラうがいとブクブクうがいをセットで行うのがおすすめです。