抵抗力が弱まると再発しやすい「口唇(こうしん)ヘルペス」

抵抗力が弱まると再発しやすい「口唇(こうしん)ヘルペス」

抵抗力が弱まると再発しやすい「口唇(こうしん)ヘルペス」

2022.01.07

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唇の周りなどに痛みを伴う小さな水疱(すいほう)ができるヘルペス。一度感染するとウイルスが体内にとどまり続け、再発をくり返しやすい病気です。悪化させないためにも、異変に気づいたら早めに対処することが大切です。

抵抗力が落ちたときに、体内に潜むウイルスが暴れ出す

ヘルペスは、単純ヘルペスウイルスに感染することにより、痛みを伴う小さな水疱ができる皮膚疾患です。単純ヘルペスウイルスは体のどこでも感染し、感染した部位によって呼び方も異なり、もっとも多いのは唇やその周辺にできる口唇ヘルペスです。

主な感染経路は接触感染で、病変部に触れた手指や、ウイルスが付着した物を介して感染します。また、唾液などの飛沫によっても感染します。

初めて感染したときは、ウイルスに対する免疫がないため重症化しやすく、水疱以外にも高熱や倦怠感、リンパ節の腫れなどを伴うことがあります。その一方で、初めて感染しても、ほとんど無症状であるケースも少なくありません。

一度体内に入った単純ヘルペスウイルスは、症状が治まったあとも神経節(感覚神経が集まっているところ)に潜み、体内にとどまり続けます。その後、体の抵抗力が落ちたときなどに再び暴れ出します。そのため、ヘルペスは再発をくり返しやすいのです。再発時には、水疱ができる前に、皮膚にピリピリ・チクチクといった違和感や痛がゆさなどの自覚症状が現れるのも特徴です。

飲み薬でウイルスの増殖を抑える

単純ヘルペスウイルスの治療では、抗ウイルス薬の飲み薬を服用し、ウイルスの増殖を抑えます。軽症の場合には、塗り薬を用いることもあります。逆に、重症の場合や免疫不全の人に対しては、点滴で抗ウイルス薬を投与します。

年6回以上再発をくり返す場合は、一定量の抗ウイルス薬を毎日服用する抑制療法を行います。再発頻度が少なく、再発の兆候を自覚できている患者に対しては、あらかじめ抗ウイルス薬を処方しておくという治療法もあります。兆候が現れたタイミングで薬を飲むことにより、症状が現れるのを防ぐことが可能となります。

日ごろから体調を整え、紫外線にも注意を

ヘルペスを悪化させたり、他の人にうつしたりしないために、水疱をつぶしたりせず、患部に触れたら必ず石けんで手を洗いましょう。タオルやかみそり、食器などの共用は避けてください。

ヘルペスは、体の抵抗力や免疫力が低下しているときに再発しやすくなります。そのため、疲労やストレスをためない、かぜをひかないように気をつける、といったことが再発予防につながります。

また、過度に紫外線を浴びると皮膚の免疫力が落ちるので、屋外で過ごすときは紫外線対策をしっかり行いましょう。

(家庭の医学大全科ウェブサイト 編集部)