「食物アレルギー」 大人になってから突然発症することも

「食物アレルギー」 大人になってから突然発症することも

「食物アレルギー」 大人になってから突然発症することも

2022.01.24

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食物アレルギーは子どもに限ったものではなく、大人になってから突然発症することもめずらしくありません。大人の場合、原因の多くは野菜と果物で、これには花粉症が関係していることがわかっています。原因がはっきりすることで対処できる場合もあるので、気になる症状があれば早めに専門医を受診しましょう。

花粉症の種類により、アレルギーを起こす食物が変わる

食物アレルギーは、特定の食物を体が異物とみなし、免疫細胞が過剰に反応することでアレルギー症状を引き起こす病気です。

子どもの食物アレルギーは、おもに鶏卵、牛乳、小麦が原因となって起こります。これに対し、大人の場合は野菜と果物が原因となることが多く、全体のほぼ半数を占めます。

実は、野菜や果物が原因となる食物アレルギーは、花粉症と強い関連があります。野菜や果物に含まれるアレルゲン(アレルギーの原因となる物質)と花粉に含まれるアレルゲンは、成分の構造が非常によく似ている場合があります。そのため、野菜や果物を食べたときに、体内に花粉が入ってきたと免疫細胞が勘違いして、アレルギー症状を起こしてしまうのです。

たとえば、カバノキ科(シラカバ、ハンノキなど)の花粉症がある人はリンゴやモモ、サクランボなどバラ科の果物で、イネ科(カモガヤなど)やキク科(ブタクサなど)の花粉症がある人はメロンやスイカなどウリ科の果物でアレルギー症状が起きやすいとされます。

アナフィラキシーショックを起こすと命に関わる危険も

子どもの食物アレルギーの多くは、皮膚のかゆみやじんましんなど全身に症状が現れます。一方、大人の場合は、唇や口の中、のどなど限定された部位に、はれやかゆみなどが起こるのが特徴です。大人と子どもで症状が異なるのは、大人の食物アレルギーの原因となる野菜や果物は消化されやすく、胃の中で消化・分解されることで全身症状が現れにくいためです。胃に入る前にアレルゲンに直接触れた部分だけに症状が現れることが多く、食後1~2時間ほどで治まることがほとんどです。

しかし、ときにアナフィラキシーショックと呼ばれる非常に危険な状態に陥る場合があります。急激な血圧低下や意識障害が起きている場合は、一刻も早く救急車を呼ぶ必要があります。

花粉の飛散時期だけ注意することで、症状が改善する場合も

食物アレルギーは、原因となる食物を避けることが対処の基本となります。花粉症が関係している場合は、関連のある花粉の飛散時期だけ原因となる食物を避けることで、症状が改善する場合があります。

症状が強い場合は、抗アレルギー薬が有効な場合もあるので、皮膚科やアレルギー科に相談するとよいでしょう。

(家庭の医学大全科ウェブサイト 編集部)