痛風発作がなくても油断禁物!高尿酸血症
痛風発作がなくても油断禁物!高尿酸血症
2021.06.04広告
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高尿酸血症は、血液中の尿酸値が高い状態をいいます。尿酸値が高いと、足の親指などが激しく痛む痛風発作をおこすだけでなく、さまざまな生活習慣病を招いたり、脳卒中や心筋梗塞といった重篤な病気のリスクを高めたりする危険もあります。健診などで異常を指摘されたら、早めに適切な対処をすることが肝心です。
尿酸はプリン体が分解されたときに残る老廃物
高尿酸血症は、プリン体という物質が深く関係しています。プリン体は細胞の核にあるDNAの主成分で、体内でつくられるものと食物に含まれるものがあり、食事からのプリン体は2割とされています。プリン体は主に肝臓で分解されますが、その際に老廃物として残るのが尿酸です。
通常、尿酸は尿や便とともに体外に排泄され、血液中の尿酸の量は一定に保たれます。しかし、尿酸が増えすぎたり、うまく排泄できなくなったりすると、尿酸値が異常に高くなります。これが高尿酸血症です。尿酸値は血液検査で調べることができ、7mg/dLを超えると高尿酸血症と診断されます。
動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳卒中のリスクを高める
高尿酸血症がつづくと、関節の軟骨や関節を覆う膜に結晶化した尿酸が蓄積します。これが徐々に大きくなり、あるときに崩れて関節内にまき散らされると、免疫細胞が異物とみなして攻撃するため、強い痛みを伴う痛風発作がおこります。
痛風というと、かつては「ぜいたく病」などと呼ばれ、中年以降の男性に多いイメージですが、女性や若い男性にもおこります。また、「高尿酸血症=痛風」と思われがちですが、実際に痛風になるのは高尿酸血症の人の1割程度です。
しかし、たとえ痛風発作がおきていなくても、高尿酸血症は血管の炎症を引き起こし、動脈硬化を進行させます。その結果、狭心症や心筋梗塞、脳卒中、腎臓病といった重篤な病気のリスクを高めるので注意が必要です。
予防・改善には生活習慣の見直しが必須
高尿酸血症を予防・改善するためにもっとも重要なのが、生活習慣の見直しです。まず、肥満の人は尿酸値が高くなりやすいため、減量することが大切です。肥満解消やメタボリックシンドローム予防のためにも、適度な運動を習慣にしましょう。
食事では、プリン体の多い食品(あん肝やレバーなどの内臓類、干物など)、糖質、脂質は控えめにし、食物繊維が豊富な食品(野菜、きのこ類、海藻類)を積極的にとりましょう。
また、近ごろはプリン体ゼロのビールなども多く販売されていますが、アルコール自体に尿酸値を上昇させる作用があります。お酒を飲む場合は適量を守り、休肝日をつくるようにしましょう。