夏は大人も要注意!──あせも

夏は大人も要注意!──あせも

夏は大人も要注意!──あせも

2021.06.21

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あせもは、気温が高くなり、汗をよくかく夏におこりやすい皮膚の病気です。子どもの病気と思われがちですが、大人におこることも少なくありません。放置すると重症化する場合もあるので、早めに適切な対処をするようにしましょう。

汗の出口がふさがれ、炎症がおこる

あせもは皮膚の病気の一種で、医学的には「汗疹(かんしん)」といいます。

皮膚内部にはエクリン汗腺(かんせん)という管があり、汗はこのエクリン汗腺を通って体外に排出されます。ところが、汗をかく量が多く、なおかつ長時間そのままにしていると、あかやほこりなどがエクリン汗腺の出口をふさいでしまい、汗を排出できなくなります。すると、行き場を失った汗がエクリン汗腺から表皮の中に漏れ出てしまい、炎症が起こって発疹ができます。これが、あせもです。

エクリン汗腺は、年齢にかかわらず全身に200万~500万個あるといわれています。あせもが子どもにできやすいのは、大人と比べて体が小さく、エクリン汗腺の密度が高いためです。また、肥満のある人や乳房の大きい女性も、皮膚と皮膚の間に汗がたまりやすいため、あせもができやすくなります。

あせもには3つのタイプがある

あせもには、大きく分けて3つのタイプがあります。1つめは水晶様(すいしょうよう)汗疹で、直径1㎜程度の透明な発疹ができます。かゆみを伴わないのが特徴で、一般に数日間で自然に治ります。

2つめは、最も多くみられるタイプの紅色(こうしょく)汗疹です。直径2~3㎜程度の赤い発疹ができ、強いかゆみを伴います。

3つめは、紅色汗疹をくり返している人にまれに起こる深在性(しんざいせい)汗疹です。紅色汗疹が重症化してエクリン汗腺が破壊され、汗を体外に排出できなくなります。体温をうまく調節できなくなるため、暑い時期には熱中症の症状を引き起こすことがあり、注意が必要です。

予防の基本は皮膚を清潔に保つこと

あせもを予防するためにまず大事なのは、皮膚を清潔に保つことです。汗をかいたらそのままにせず、タオルや汗拭きシートなどでこまめに拭き取ります。

帰宅後は、早めに入浴やシャワーで汗や汚れを洗い流しましょう。体を洗うときは、硬いタオルなどで強くこすると皮膚を傷つけてしまうので、石けんを十分に泡立て、優しく洗います。体を拭くときも、タオルを軽く押し当てるようにして拭きます。

服装はゆったりとしていて、吸湿性、速乾性に優れたものを選びましょう。かゆみがある場合は、保冷剤や冷たいタオルなどで冷やしてから、市販薬を塗ります。

これらのセルフケアをしてもなかなか治らなかったり、症状が悪化したりする場合は、早めに皮膚科を受診するようにしてください。

(家庭の医学大全科ウェブサイト 編集部)