つらい更年期障害─うまく乗り切る方法は?

つらい更年期障害─うまく乗り切る方法は?

つらい更年期障害─うまく乗り切る方法は?

2020.12.28

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ほてり、発汗などつらい症状に悩まされる人も多い更年期障害「更年期だからしかたない」とあきらめず、少しでも快適に過ごせるよう、正しい知識をもち、適切な対処法を覚えておきましょう。

症状の程度には個人差がある

女性の更年期とは、一般に閉経の前後5年間を合わせた約10年間をいいます。この時期に心身に現れるさまざまな症状を更年期症状といいます。更年期症状があっても、とくに不都合を感じない人がいる一方で、日常生活に支障をきたすほどの症状に悩まされる人もいます。そのような状態を更年期障害といいます。

主な症状は、のぼせ、ほてり、発汗で、なかでも急に顔がほてるホットフラッシュは典型的なものです。そのほか、疲れやすい、体がだるい、イライラする、くよくよする、精神不安定、冷え、息切れ、動悸、頭痛、めまい、寝つきが悪い、眠りが浅い、記憶力の低下、膣の乾燥感、性交痛などがあげられます。

女性ホルモンの減少のほか、環境やストレスも要因に

更年期障害の主な原因は、女性ホルモンであるエストロゲンの急激な減少です。エストロゲンは、妊娠・出産を可能にする以外にも、骨や血管を丈夫にする、血中のコレステロールを調節するといった働きもあります。

さらに、脳や神経の働きにも関わりがあり、集中力や記憶力、精神の安定などにも影響を及ぼします。このように、エストロゲンの働きは多岐にわたるため、前述したようなさまざまな症状が現れるのです。

また、更年期障害は、環境の変化によるストレスも大きな要因と考えられています。女性にとって更年期は、職場での昇進や異動、肉親との死別や介護、子どもの独立など、人間関係や生活環境に大きな変化がおこりやすい時期でもあります。これらの要因が複合的に関与し、発症や症状悪化を招いていると考えられています。

「無理をしない」「がんばりすぎない」ことが大切

更年期障害と診断されると、薬物療法とカウンセリングが行われます。薬物療法としては、急激に減少した女性ホルモンを補充するホルモン補充療法(HRT)のほか、漢方薬、向精神薬などの薬が用いられ、必要に応じて複数の薬を併用する場合もあります。カウンセリングでは、心理的な要因を明確にし、どのように対処したらよいかのアドバイスが行われます。

更年期を少しでも快適に過ごすためには、①無理をしない、②がんばりすぎない、この2つがカギになります。つらいときには一人で抱え込まず、親しい友人などに話を聞いてもらいましょう。家事の一部を家族に協力してもらうだけでも、気分はかなり楽になるはずです。

更年期は必ず終わりがくるものなので、それまでは上手につきあい、うまく乗り越えていきましょう。

(家庭の医学大全科ウェブサイト 編集部)