再発しやすい尿路結石─水分補給と食事で予防を
再発しやすい尿路結石─水分補給と食事で予防を
2020.05.25広告
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男性の7人に1人、女性の15人に1人が発症するとされる尿路結石。尿路結石になった人の約半数が再発するといわれているため、一度治った人も注意が必要です。尿路結石を予防し、再発を防ぐためにも、食生活をはじめとする生活習慣を見直しましょう。
食生活の欧米化で患者数が増加
腎臓から尿管、膀胱、尿道にいたるまでの尿の通り道を尿路といいます。尿路結石は、この尿路にできた結石の総称です。
尿路結石は、尿に含まれる成分が結晶化したもので、その成分はさまざまですが、日本人の患者に多くみられるのは、カルシウムとシュウ酸でできた結石です。
近年、尿路結石の患者は増加傾向にあり、20~30代の女性の発症も増えています。要因として挙げられるのが、食生活の欧米化です。動物性たんぱく質や脂肪をとりすぎると結石ができやすくなるためです。また、肥満やメタボ、生活習慣病なども尿路結石のリスクを高めます。
そのほか、夏は汗をたくさんかくことで体内の水分が減り尿が濃くなるため、尿路結石ができやすくなります。
代表的な症状は背中や脇腹などの痛み。ただし無症状のことも
主な症状は、背中から脇腹、腰にかけての痛みで、激痛になる場合もあります。これは、尿管に結石が詰まり、腎臓に尿がたまることでおこります。結石が膀胱近くまで下りてくると、頻尿、残尿感、排尿時の痛み、血尿などの症状がみられるほか、吐き気や嘔吐、おなかの張りなどを伴う場合もあります。
しかし、結石が腎臓にとどまっているうちは痛みがほとんどないため、結石ができていることに気づかない人も多いと考えられます。
尿路結石の治療は、結石の大きさが4㎜以下の場合は、水分摂取や薬剤による自然排石が期待できます。自然排石が難しい場合には、からだの外から衝撃波を当てて結石を砕く体外衝撃波結石破砕術(たいがいしょうげきはけっせきはさいじゅつ:ESWL)や内視鏡手術などが行われます。
水分補給はたっぷりと。結石のもとになる食品は控えめに
尿路結石は再発しやすいため、予防が非常に重要です。まず、水分は食事以外で1日2リットル以上を目標にとり、就寝前と起床時にもコップ1杯の水を飲むようにしましょう。
食事では、動物性たんぱく質、脂質、塩分、糖分をとりすぎないようにします。また、尿中のシュウ酸を減らすことが大切となります。シュウ酸はカルシウムを一緒にとると、体内に吸収されずに便として排出されやすくなるため、シュウ酸を多く含むほうれん草にはしらすやかつお節をかけたり、コーヒーや紅茶にはミルクを入れたりするのがおすすめです。
さらに、夕食から就寝まで少なくとも2時間、できれば4時間はあけるようにすることも、結石を成長させないために有効です。