口の健康のために「口内フローラ」をととのえよう
口の健康のために「口内フローラ」をととのえよう
2020.05.18広告
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腸内には、たくさんの細菌がすんでいることが知られています。これと同様に、口の中にも多くの細菌がすんでいて、その集まりを「口内フローラ」と呼びます。口内フローラは、口の中だけでなく全身の健康にも大きく影響するため、適切なバランスにととのえることが大切です。
有害菌と有用菌のバランスが重要
フローラ(flora)とは、お花畑のこと。細菌の集合体を顕微鏡で見るとお花畑のように見えることから、腸内の細菌の集合体は「腸内フローラ」、口内の細菌の集合体は「口内フローラ」と呼ばれるようになりました。
口の中には約700種、約100億個の細菌がすんでいて、むし歯や歯周病などの原因となる「有害菌」と、有害菌の作用を抑える働きをする「有用菌」の2つに大きく分けられます。口内フローラはこの有害菌と有用菌のバランスが重要で、有害菌1~3:有用菌9~7の割合が理想的といわれています。
口内細菌は全身の病気を引きおこすことも
口内フローラのバランスが適切に保たれていれば、有害菌は有用菌によって抑えられるため、健康を維持できます。しかし、口内が不衛生であったり、悪い生活習慣がつづいたりすると、口内フローラのバランスが乱れます。すると、有害菌が優勢になり、むし歯や歯周病を発症しやすくなります。
さらに怖いのは、口内細菌は全身にも影響を及ぼすということ。口内細菌は、むし歯や歯肉炎などによって傷ついた部分から、血液の中に侵入して全身を巡ります。
有害菌によって血管壁に炎症がおこると、動脈硬化が進行し、脳梗塞や心筋梗塞などの発症リスクが高まります。また、糖尿病の発症や悪化を促進するほか、認知症との関連も指摘されています。
正しい歯磨きに加え、日常的なセルフケアで有害菌をノックアウト!
むし歯や歯周病、さらには全身の病気を予防するためにも、よい生活習慣を心がけて口内フローラのバランスをととのえることが大切です。
口内ケアの基本は、毎日正しい方法できちんと歯を磨くこと。とくに、寝る前は時間をかけて丁寧に磨くことが重要です。
次に大切なのが、だ液の分泌を促すことです。なぜなら、だ液には有害菌がふえるのを抑える働きがあるからです。また、食事をすると口内が酸性に傾いて歯の表面がわずかに溶け、カルシウムなどが抜け出す脱灰(だっかい)という現象がおこりますが、だ液にはこの脱灰を防いで傷ついた歯を修復する作用もあります。食後にシュガーレスガムをかむほか、よくしゃべったり笑ったりすることも、だ液の分泌を促すのに有効です。
また、緑茶に含まれるカテキンは有害菌の繁殖を抑えてくれるので、日常的に積極的に飲むとよいでしょう。ティースプーン山盛り1杯の粉末緑茶を100mLの水かぬるま湯で溶かし、口をすすぐのもおすすめです。