今週は世界緑内障週間─40歳を過ぎたら定期検診を

今週は世界緑内障週間─40歳を過ぎたら定期検診を

今週は世界緑内障週間─40歳を過ぎたら定期検診を

2020.03.12

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「世界緑内障週間」(2020年は3月8~14日)は、緑内障という眼の病気の啓発活動を行う世界的な取り組みです。緑内障は、放置すると失明につながる危険がある一方で、近年は検査法や治療法が大きく進歩し、早期発見・早期治療により進行を防ぐことが可能となってきました。

初期では自覚症状がなく、見逃されやすい

緑内障は視神経が障害され、視野が徐々に欠けていく病気です。日本人では、40歳以上で20人に1人、60歳以上では10人に1人が発症していて、中途失明の原因疾患の第1位となっています。

緑内障の主な症状は「視野の欠け」ですが、その異変に気づかないケースが多くみられます。片方の目に見えない部分があっても、両目で見ていると反対側の目がそれをカバーしてしまうため、視野の欠けに気づきにくいのです。

日本人は眼圧が正常でも発症するタイプが多い

視神経が障害される主な原因は、眼圧の上昇です。眼圧とは、眼球に一定の張りを与え、形を保つ圧力のことです。眼圧を適度に保つために働いているのが、角膜の内側を満たしている房水(ぼうすい)という水分です。

適度な眼圧を一定に保つため、房水が作られる量と排出される量は等しくなっています。しかし、何らかの原因でこのバランスが崩れて眼圧が高くなると、視神経が障害され、緑内障がおこります

緑内障は主に3タイプあり、一つ目は隅角(ぐうかく:房水を排出する出口部分)が狭かったり、閉じているため眼圧が高くなるタイプです。二つ目は、隅角は広いが付近の組織が目詰まりを起こして房水が流れにくくなり、眼圧が高くなるタイプです。三つ目は、隅角が広く眼圧は正常範囲であるにもかかわらず視神経が障害されるタイプです。

後者を正常眼圧緑内障といい、日本人の緑内障の7割はこのタイプです。もともと視神経が弱い人などは、たとえ眼圧が正常値であっても、視神経の血液の流れが悪くなるなどが原因で緑内障をおこしてしまうのです。

40歳を過ぎたら年1回の定期検診を

緑内障を診断するには、複数の検査を行い、総合的に判定します。視力検査のほか、眼圧検査、視神経の状態を調べる眼底検査、眼圧上昇の原因を調べる隅角検査、視野の障害度を調べる視野検査などがあります。また、網膜の断面の様子を立体的に撮影するOCT検査が行われる場合もあります。

緑内障は、健康診断や人間ドックで行われる視力検査や眼圧検査だけでは診断できません。緑内障は40~50代から増え始めるため、40歳を過ぎたら年1回のペースで眼科を受診し、定期検診を受けるようにしましょう。

(家庭の医学大全科ウェブサイト 編集部)