新型コロナウイルス感染症、一人一人ができること

新型コロナウイルス感染症、一人一人ができること

新型コロナウイルス感染症、一人一人ができること

2020.03.05

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※本記事の内容は3月5日時点の情報にもとづいています。

世界各国で急激に感染が拡大している新型コロナウイルス感染症。日本国内でも、感染経路が不明の市中感染とされる事例が相次ぎ、一部地域に小規模の患者クラスター(集団)がみとめられ、さらなる感染拡大の傾向にあります。まさに今が、国内での感染の流行を最小限に抑えるうえで、極めて重要な時期といわれています。政府から全国の小中高、特別支援学校の臨時休校が要請され、また、新たに風邪症状のある人は外出を控えるように呼びかけられました。

集団感染を防ぐために、厚生労働省が新たな注意喚起

これまでに国内で明らかになった感染者の8割は他の人に感染させていないとしながら、スポーツジム、屋形船、ビュッフェスタイルの会食、雀荘、スキーのゲストハウス、密閉された仮設テントなどでは一人の感染者が複数人に感染させた事例が報告されています。

また、一部の地域では、一人の感染者から感染した数人から数十人程度の患者クラスター(集団)が発生しています。感染拡大を防ぐために重要なのは、クラスターが次のクラスターを生み出す連鎖を止めることです。

集団感染の共通点は、「換気が悪く」」「人が密に集まって過ごすような空間」「不特定多数の人が接触するおそれが高い場所」です。厚生労働省では、イベントを開催する際は開催の必要性について検討するとともに、風通しの悪い空間をなるべく作らないなど、イベントの実施方法を工夫してほしいと注意事項を発表しました。できるだけ混雑した場所を避け、屋内でお互いの距離が十分に確保できない状況で一定時間を過ごさないことが、感染リスクを減らすことにつながります。

感染予防にはこまめな手洗いと消毒、咳エチケットが基本

新型コロナウイルス感染症は、飛沫感染(感染者の咳、くしゃみなどと一緒に放出されたウイルスを吸い込むことによる感染)、接触感染(感染者がウイルスの付着した手でつり革やドアノブ、手すり、スイッチなどの周りのものに触れ、その部分を介しての感染)だと考えられています。

普段からできる感染予防は、石鹸での手洗いや手指消毒用アルコールによる消毒です。手洗いは、手を濡らして石鹸やハンドソープをつけてていねいに洗い、流水でしっかり流します。特に、外出先から帰宅後、咳やくしゃみを手で押さえた後、料理の前、食事の前、トイレの後などは、目・鼻・口や室内のあちこちを触る前にすぐ手を洗いましょう。手洗い後は水気をよく拭き取り、たっぷりのアルコール消毒液で手指まで丁寧に消毒します。コロナウイルスはアルコールに弱いことがわかっているため、手を洗えないときにも有効です。ドアノブやスイッチなどの消毒にも使えます。

また、他の人にうつさないために、咳エチケットを心がけましょう。マスクは鼻と口を確実に覆い、隙間がないように装着します。マスクを外す際はゴム部分を持ち、表面に触れないように外して捨て、外した後は手を洗いましょう。マスクがない場合は、ティッシュやハンカチなどで口や鼻を覆い、使ったティッシュはすぐに捨てましょう。とっさのくしゃみや咳は、上着の内側や袖で口や鼻を覆います。手で覆ったときは、すぐに手を洗うことが大切です。

気になる症状があるときは

風邪の症状や37.5度以上の熱が4日以上続く場合、強いだるさや息苦しさがある場合は、「帰国者・接触者相談センター」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/covid19-kikokusyasessyokusya.html)に電話で相談してください()。症状がこの基準に満たない場合は、かかりつけ医や近隣の医療機関に相談してください。

家庭内で新型コロナウイルス感染症が疑われる場合は、部屋を分け、感染者は極力部屋から出ないようにします。定期的に各部屋の換気をし、手で触れる共有部分を消毒。ゴミは密閉して捨てます。感染者の世話はできるだけ限られた人で行い、家族や同居人もそれぞれ熱を測るなど健康観察し、不要不急の外出は避けましょう。

依然マスク不足が解消されず、マスクが手に入らないことで感染への不安も高まっています。屋外などでは、相当混み合っていない限り、マスクを着用することによる予防効果はあまり認められていないといわれています。まずは、日頃の予防方法を再確認し、人ごみを避け、十分な睡眠を取るなどの健康管理を励行しましょう。

重症化しやすい高齢者や基礎疾患(糖尿病、心不全、COPD等の呼吸器疾患)がある人、透析を受けている人、免疫抑制剤や抗がん剤等を用いている人は、上記の症状が2日程度続く場合は、念のため、「帰国者・接触者相談センター」に相談しましょう。

(家庭の医学大全科ウェブサイト 編集部)