その長引く咳は風邪ではなく「咳ぜんそく」かも?

その長引く咳は風邪ではなく「咳ぜんそく」かも?

その長引く咳は風邪ではなく「咳ぜんそく」かも?

2020.02.07

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咳が続くと「風邪が長引いているのかな」と考えがちですが、2週間以上続く場合は風邪以外の原因が隠れている可能性があります。なかでも近年増加傾向にあるのが、咳ぜんそく。放置すると気管支ぜんそくに移行する危険もあるため、早めに適切な治療を受けることが大切です。

ぜん鳴や呼吸困難はなく、咳だけが続く

「ぜんそく」という名前はついているものの、咳ぜんそくは気管支ぜんそくとは別の病気です。

気管支ぜんそくは、気管支の粘膜に慢性的な炎症がおこって気管支が細くなり、呼吸が苦しくなる病気です。発作がおこるとせきやたんが出ると同時に、「ゼイゼイ」「ヒューヒュー」というぜん鳴が現れます。

一方、咳ぜんそくは気道が過敏になっておこる病気で、ぜん鳴や呼吸が苦しくなることはなく、咳だけが続くのが特徴です。

放置すると気管支ぜんそくに移行する危険も

咳ぜんそくは、アレルギー体質の人に発症しやすいため、花粉症やアレルギー性鼻炎、食物アレルギーのある人はリスクが高くなります。また、風邪やインフルエンザをきっかけに発症することも多くみられます。

咳ぜんそくの症状を悪化させる要因としては、室内外の温度差、冷気、湿度の上昇、タバコの煙、運動、飲酒、ストレスのほか、花粉や黄砂の飛散、ハウスダストなどがあげられます。また、夜中から明け方にかけて激しい咳が出やすいのも特徴です。

咳ぜんそくは、放置すると約3割が気管支ぜんそくに移行することがわかっているため、早めに診断・治療することが肝心です。

かぜ薬では効果なし、長引く場合は医療機関の受診を

咳ぜんそくには、市販のかぜ薬や咳止めはほとんど効果がありません。気管支拡張薬が有効なため、咳ぜんそくが疑われる場合、気管支拡張薬を使用して、効くかどうかのテストを行います。咳の改善が認められると、咳ぜんそくと診断され、吸入ステロイド薬を用いた治療を開始します。

中等症(ぜんそく症状が毎日ある)以上では、吸入ステロイド薬に加えて気管支拡張薬を併用します。最近では、この2種が配合された吸入薬が処方される場合もあります。

咳ぜんそくは、症状が治まったからといって治療を中断してしまうと、再発する恐れがあります。気管支ぜんそくへの移行を予防するためにも、医師の指示に従って根気よく治療を継続することが大切です。

咳ぜんそく以外で慢性的に咳が出る病気には、胃から食道に胃酸が逆流する「胃食道逆流症」、肺の気管支に慢性的な炎症がおきて呼吸困難を招く「COPD(慢性閉塞性肺疾患)」、細菌感染が原因でおこる「百日ぜき」などもあります。

これらの病気を見逃さないためにも、たかが咳と軽視せず、咳が長引く場合は早めに医療機関を受診しましょう。

(家庭の医学大全科ウェブサイト 編集部)