がん罹患数1位の「大腸がん」─早期発見・早期治療なら根治を目指せる

がん罹患数1位の「大腸がん」─早期発見・早期治療なら根治を目指せる

がん罹患数1位の「大腸がん」─早期発見・早期治療なら根治を目指せる

2020.01.27

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大腸がんは日本人に一番多いがんです。一方で、早期に発見して適切な治療を受ければ、かなり高い確率で治すことができます。そのために欠かせないのが大腸がん検診であり、40歳になったら年1回、定期的に受診することがすすめられます。

40歳代から増加。肥満や喫煙などでもリスクが上昇

大腸は、小腸からつながる長さ約1.5~2mの消化管で、小腸に近いほうから結腸(盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸)と直腸(直腸S状部、上部直腸、下部直腸)に大きく分けられます。日本人ではS状結腸と直腸にがんができやすいとされています。

大腸がんにかかる人は40歳代から増え始め、高齢になるほど増加する傾向にあります。加齢以外では、肥満や喫煙、過度の飲酒、運動不足といった生活習慣も大腸がんのリスクを高めることがわかっています。

早期発見・早期治療のためには、年1回の検診が欠かせない

大腸がんは、早期の段階では自覚症状はほとんどありません。やがて病気が進行すると、便に血が混じる、赤黒い便が出る・便の表面に血液が付着する、下痢と便秘をくり返す、便が細くなる、便が残る感じがする、おなかが張る、腹痛、貧血、体重減少といった症状がみられるようになります。

大腸がんは、早期であれば、からだに負担の少ない内視鏡治療を行える可能性が高くなり、5年生存率も90%以上といわれています。しかし、病気が進行してしまうと、からだの負担が大きい大がかりな手術が必要となるほか、他の臓器への転移や再発のリスクも高くなります。

そうした事態を避けるためにも重要なのが、大腸がん検診です。国は40歳以上の人を対象に、年1回の受診を推奨しています。

陽性と判定されたら必ず精密検査を

大腸がん検診で一般的に行われているのが、便潜血検査です。大腸にがんや大きなポリープがあると、そこから出血して便に血液が混じることがあります。そこで、目に見えない微量の血液が便に混じっていないかを調べます。

検査キットで便を採取し、医療機関に提出します。陽性と判定された場合は、大腸内視鏡検査でさらにくわしく調べます。

便潜血検査で陽性になる人は受診者全体の約6%、そのうちがんが見つかる人は約3.6%なので、陽性であっても大腸がんの可能性はそれほど高くはありません。また万一、がんが見つかったとしても、その多くは早期がんなので、完治できる可能性は十分にあります。

手遅れになって後悔しないためにも、陽性と判定された場合は必ず精密検査を受けるようにしましょう。

(家庭の医学大全科ウェブサイト 編集部)