「水虫」はかゆくなくても油断禁物!正しい対処法は?
「水虫」はかゆくなくても油断禁物!正しい対処法は?
2019.06.24広告
広告
気温、湿度ともに高くなる夏場に増えるのが「水虫」です。いったん水虫になると、自然に治ることはほとんどなく、適切な治療が行われなければ、再発を繰り返し、ほかの人にうつしてしまうことになります。日常の予防法や正しい治療法について知っておきましょう。
水虫の人の半数以上は自覚症状がない
水虫は白癬菌(はくせんきん)という、カビ(真菌)の一種が原因で起こる感染症です。白癬菌が皮膚の角質の中に侵入して増殖すると、水虫を発症します。白癬菌は高温・多湿の環境を好むため、梅雨から夏にかけて急激に増殖しやすくなります。皮膚の角質や爪の主成分であるケラチンというたんぱく質を栄養源としているので、角質が厚い足の裏は水虫ができやすい場所です。
足の水虫は症状の出方などにより、大きく次の3つのタイプに分けることができます。
- 小水疱型(しょうすいほうがた)…足裏のフチや土踏まずなどに小さな水疱(水ぶくれ)ができ、激しいかゆみを伴います。
- 趾間型(しかんがた)…足の水虫として多いタイプ。足指の間の皮が白くふやけたり、あるいは乾いたりして皮がむけ、かゆみを伴うことがあります。
- 角質増殖型…足裏の角質が硬く、厚くなってガサガサしますがかゆみはありません。とくにかかとは硬くなりやすく、冬にはひび割れることも。
水虫といえば、むずむずとしたかゆみを真っ先に思い浮かべるかもしれません。ところが実際には、かゆみがあらわれる人は1割くらいで、半数以上の人は目立った症状はあらわれないようです。そのため、水虫であることに気づいていない人も多く、とくに周囲への配慮もしないまま、うつしてしまうケースが珍しくないとみられています。
水虫予防のために、1日1回はていねいに足を洗うこと
白癬菌は、プールや温泉の床やバスマットなど、不特定多数の人が素足で歩く場所には、ほぼ100%存在しているといわれます。さらに、靴を脱いで上がる飲食店の座敷や、共用のスリッパなどにも、白癬菌の存在が確認されています。
残念ながら、ストッキングや靴下を履いていても、分厚いものでなければ、白癬菌の侵入を防ぐことはできません。そのため、水虫予防には白癬菌を足につけないようにすることだけでなく、ついた白癬菌が角質に入り込まないようにすることが大切です。
たとえ白癬菌が足についたとしても、角質に侵入して感染が成立するまで約24時間かかるといわれています。つまり、感染が成立する前に菌を除去して、水虫を「予防」することが重要です。
そこで、1日1回は足全体を石けんで洗うことを習慣にしましょう。ただし、ナイロンタオルや軽石などでゴシゴシこすると、皮膚が傷ついてそこから白癬菌が侵入しやすくなるので、手でやさしく洗うのがコツ。足指の間までていねいに洗い、洗った後は清潔なタオルで水けを拭き取って、しっかり乾燥させます。靴を脱いで白癬菌がいそうな場所を歩いたときは、できれば靴を履く前に足をよく拭くか、早めに洗うようにするとよいでしょう。自宅のバスマットやトイレマットなどもこまめに洗濯をして、清潔に保ってください。
症状が治まっても、定められた期間は治療を続けることが重要
水虫には自覚症状がないことも多かったり、見た目や症状が似ている別の病気があったりするので、自己判断で水虫と決めつけるのは禁物です。疑わしい症状などがある場合は、まずは皮膚科を受診することをおすすめします。
水虫の治療には主に抗真菌薬の塗り薬を使いますが、病院でもらう処方薬のほかに市販薬もあります。薬は皮膚が清潔で、角質が軟らかくなっている入浴後などに、足裏からフチ部分、足指の間まで足全体にまんべんなく塗ります。症状がない箇所にも白癬菌がひそんでいる可能性があるので、広い範囲に塗るようにしましょう。
薬を塗り始めると1~2週間ほどで症状は改善してきますが、この段階ではまだ角質の中の白癬菌は完全に死滅していません。ここで治療を中断すると簡単に再発してしまうので、薬の用法に従って最低1カ月は塗り続けてください。
また、足の水虫を長年放置していると、白癬菌が爪の中に侵入して爪白癬を発症することがあります。爪白癬には塗り薬が効きにくいため、医師の管理下で服用するのみ薬が治療の中心になります。