危険なハチ刺され─一度に多数、2回目以降は命にかかわる危険も

危険なハチ刺され─一度に多数、2回目以降は命にかかわる危険も

危険なハチ刺され─一度に多数、2回目以降は命にかかわる危険も

2018.09.10

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ハイキングなどアウトドアのレジャーを楽しむ際に気をつけたいのが、ハチ刺されです。人によっては「アナフィラキシーショック」という全身性のアレルギー反応を起こし、最悪の場合は命にかかわる危険も。過去にハチに刺されたことがある人は、とくに注意が必要です。

ハチの活動が活発になる夏から秋に被害が集中

ハチにはさまざまな種類がいますが、毒針を持ち、人を刺すことがあるハチとして代表的なのは、スズメバチ、アシナガバチ、ミツバチの3種類です。なかでもスズメバチは攻撃性が強く、集団で襲ってくる危険があります。

夏から秋にかけてはハチの活動が活発になるため、ハチ刺されの被害もこの時期に集中しています。スポーツやレジャーで山や森などへ出かけたときや、庭木の手入れをしているときなどに刺される例が多く報告されているので、十分に注意してください。

「アナフィラキシーショック」は短時間で全身症状があらわれる

ハチに刺されると、直後に強い痛みが起こり、その後、患部がだんだん赤く腫れてきますが、通常は数日もすれば症状はおさまっていきます。

しかし、ハチ毒にはアレルギー反応を引き起こす成分が含まれているため、人によっては、全身性の激しいアレルギー反応が起きる場合があります。これを「アナフィラキシーショック」といいます。ハチに刺されてから短時間(多くは約15分以内)で、全身のかゆみやじんましん、唇やまぶたの腫れ、呼吸困難、腹痛、嘔吐などの症状があらわれます。重症になると、血圧低下や意識障害が起こり、命にかかわる危険があります。

アナフィラキシーショックを起こす可能性が高いのは、過去にハチに刺されたことがある人です。なかでも、そのときのアレルギー症状が強かった人は要注意です。また、ハチに刺されたのが初めてであっても、一度に多数のハチに刺された場合には、アナフィラキシーショックを起こす可能性があります。

ハチに刺された経験がある人は、自己注射薬の携帯を

ハチに刺されて強い全身症状があらわれたら、アナフィラキシーショックの可能性があります。救急車を呼んで、一刻も早く医療機関を受診してください。

また、過去にハチに刺されたことがある人のほか、仕事やレジャーでハチと接することが多い人などのように、アナフィラキシーショックを起こす危険性が高い人は、医療機関でアドレナリン自己注射薬(商品名:エピペン)を処方してもらい、携帯することがすすめられます。ハチに刺されたときにこれを筋肉注射することで、アナフィラキシーショックの進行を一時的にやわらげることができます。そして注射後は、すぐに救急車を呼んでください。

万一のときに適切な対処ができるよう、日ごろから正しい使用法をしっかりと覚えておくことが大切です。

(家庭の医学大全科ウェブサイト 編集部)