かゆみがつらい「腟カンジダ」──再発を防ぐには?
かゆみがつらい「腟カンジダ」──再発を防ぐには?
2025.05.02広告
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腟カンジダ(カンジダ腟炎)は、外陰部に強いかゆみを引き起こす感染症の一種です。腟カンジダは再発しやすいため、日ごろから予防に努めることが大切です。
カンジダ菌が異常に増殖して発症する
腟カンジダは、カンジダという真菌(カビの一種)が原因で起こる病気で、カンジダ腟炎とも呼ばれます。
カンジダは、口腔や消化管、皮膚などにもともと存在している常在菌ですが、なんらかの原因で異常に増殖することで腟カンジダを発症します。腟カンジダは感染症のひとつであり、性病とは異なります。女性の約7割が、生涯で一度は感染するといわれています。
独特のおりものと強いかゆみが現れる
腟カンジダの症状としては、カッテージチーズや酒かすのような黄白色のおりものが出るほか、腟や外陰部に非常に強いかゆみ、排尿痛などが生じます。
腟カンジダは、はっきりした原因がわからないまま発症するケースも多くありますが、抗菌薬の服用後や妊娠中などに発症しやすいとされています。
そのほか、免疫力が低下するとカンジダ菌が増殖しやすくなるため、睡眠不足や疲労、ストレスがたまっているとき、抗がん薬や免疫抑制薬を使用しているといった場合に起こりやすく、また、糖尿病の人は腟カンジダになりやすいともいわれています。
生活習慣を見直し、免疫力を下げないことが大切
特徴的な症状に加え、顕微鏡や培養検査などでおりものを調べ、カンジダ菌がいることが確認できると腟カンジダと診断されます。
治療は薬物療法が基本で、抗真菌薬(腟錠)を腟内に挿入するほか、外陰部のかゆみに対しては、抗真菌作用のあるクリームや軟膏を塗布します。腟錠の挿入が難しい場合は、内服薬が処方されることもあります。
また、腟カンジダを発症しているときに外陰部を過度に洗浄すると、皮膚や粘膜を刺激し、かえって炎症を悪化させるとされています。治療中に外陰部を洗浄するときは石けんの使用を控え、お湯で洗い流すだけにしましょう。これらの治療により、通常1週間ほどで症状は改善します。
ただし、腟カンジダは再発しやすいため、予防するためには日ごろの生活習慣を見直すことが大切です。下着は通気性のよいものを選ぶ、ナプキンやおりものシートはこまめに替える、外陰部の過度な洗浄は避けるといったことが有効です。
また、免疫力が低下しないように十分な睡眠をとり、ストレスをためないように心がけましょう。