「足底腱膜炎」でかかとが痛む。症状を改善するには?
「足底腱膜炎」でかかとが痛む。症状を改善するには?
2025.04.04広告
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歩行や運動をしたときにかかと周辺に痛みが生じる「足底腱膜炎」は、甲高や扁平足の人、中年女性に起こりやすいとされています。痛みがあるときは運動を控え、適切なケアをすることが大切です。
かかとへの過剰な負荷が原因で起こる
足底腱膜とは、足の裏の指の付け根からかかとまでに膜状に広がる組織のことをいいます。足の裏のアーチを支えているほか、柔軟に伸縮して歩行を助ける、着地時の衝撃を吸収するといった働きがあります。足底腱膜炎は、この足底腱膜とかかとの骨の付着部に小さな傷や変性が起こり、痛みが生じる病気です。
歩いたり走ったりするとき、一般的には、かかとから地面に着地し、つま先で蹴りだします。その際、足底腱膜とかかとの骨の付着部に対し、着地時には荷重による衝撃が、蹴りだすときには強く引っ張る力が加わります。こうした過剰な負荷がくり返しかかることで、足底腱膜炎を発症すると考えられています。
具体的には、長時間の立ち仕事や歩行、体重増加、足に合わない靴、ランニングやジャンプ動作の多いスポーツなどによる足への負担が原因となります。
起床後の1歩目に強い痛みを感じることも
主な症状はかかと周辺の痛みで、階段を上がるとき、つま先立ちをしたときなどに痛みが増します。また、朝、起床してはじめの1歩目に痛みを感じることもあります。歩くうちに痛みは徐々に軽くなりますが、その後、歩行量が増えるにつれて再び痛みが強くなるのが特徴です。
これらの症状に加え、足底腱膜とかかとの骨の付着部周辺を押した際に痛みがあれば、足底腱膜炎の可能性が高いと考えられます。
足への負担を減らし、十分なストレッチを
治療法として、まずは運動量を減らして足への負担をなくすとともに、硬くなった足底腱膜やアキレス腱をほぐすためのストレッチやマッサージを行います。足の指を足首に向かって反らすストレッチが効果的で、反らした状態で10秒ほど保ちます。左右各10回を1セットとして、1日に3セット以上を目安に行うとよいでしょう。
ほかにも、足の形に合った靴を履く、土踏まずのアーチをサポートするインソール(足底板)を装着することも有効です。
痛みが強い場合は、非ステロイド系消炎鎮痛薬を使用します。これらの治療で症状が改善しない場合は、体外衝撃波の照射で神経を破壊して痛みを和らげる治療法や、足底腱膜の一部を切除する手術を行うこともあります。
足底腱膜炎を予防するには、日ごろから足裏のストレッチを行い、適切な靴を履くなど、できるだけ足に負担をかけないように心がけましょう。