左右の目がずれる「斜視」について知りたい
左右の目がずれる「斜視」について知りたい
2024.09.06広告
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物を見ようとするときに、左右の視線がずれてしまう状態を斜視といいます。放置すると視力の低下を招き、特に乳幼児の場合は視力の発達が妨げられる場合もあるので、斜視に気づいたら早めに眼科を受診しましょう。
乳幼児期に発症すると弱視になるリスクも
斜視とは、片目は正面を向いているのに、もう一方の目が異なる方向を向いている状態をいいます。視線がずれている目の方向によって、内斜視(内側に向く)、外斜視(外側に向く)、上斜視(上側に向く)、下斜視(下側に向く)などのタイプがあります。
斜視では、左右の視線が合わないために両目で物を見ることができず、物が二重に見える、立体感や奥行き感などを感じ取れない、視力が低下するなどの問題が生じます。
特に乳幼児期に斜視を発症した場合、無意識のうちにずれた側の目を使わなくなることで視力の発達が妨げられ、弱視(眼鏡などを使用しても視力が上がらない状態)になるリスクがあります。
目を動かす筋肉や神経の異常、遠視が主な原因
斜視は、目を動かす筋肉や神経の異常、遠視などが原因で起こります。また、目や脳、全身の病気に伴って発症する場合もあり、物が二重に見える複視や眼瞼下垂、目がうまく動かせなくなる眼球運動障害などが起こることもあります。
斜視を診断する際は、視力検査や眼底検査、眼球運動検査などが行われます。
治療法は眼鏡の使用や視能訓練、手術などさまざま
斜視の治療法は、タイプや原因、年齢などによって異なります。ずれているほうの目が弱視になっている場合は、弱視の改善が重要です。
遠視や近視、乱視といった屈折異常がある場合は、適切な度数の眼鏡やコンタクトレンズを使用します。斜視のずれが小さい場合は、プリズムレンズを用いた治療や視能訓練も有効です。
プリズムレンズとは、光の進路を屈折させる補正器具で、これを使用することで視線のずれや物が二重に見える症状を軽減します。一方、視能訓練とは、両目で見る機能の回復を目指す訓練法です。矯正用眼鏡をかけて鮮明な像を脳に送ったり、視力のよいほうの目をアイパッチで隠して強制的に視力の悪いほうの目で見たりすることで、視機能の発達を促すといった方法があります。
斜視のずれが大きい場合には、手術が必要になることもあります。
なお、突然物が二重に見える症状が起こった場合は、脳動脈瘤など命に関わる病気が隠れている恐れがあるため、早急に眼科を受診しましょう。