子どもの言葉の詰まりが気になる……「吃音」について知りたい
子どもの言葉の詰まりが気になる……「吃音」について知りたい
2024.06.07広告
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吃音(きつおん)とは、言葉に詰まったり、なめらかに話せなかったりする症状を指します。まわりの人がよかれと思ってとった行動が、かえって本人にプレッシャーを与えてしまう場合があるので、周囲の人も吃音について正しく理解することが大切です。
特徴的な症状は3種類ある
何かを話そうとしたとき、言葉をなめらかに発することができない状態を吃音といいます。吃音の特徴的な言語症状としては、①「お、お、おはよう」というように言葉の冒頭の音をくり返す(連発)、②「おーーーはよう」と言葉の一部を引き伸ばす(伸発)、③「……おはよう」と最初の言葉が出るまでに間が空く(難発、ブロック)の3種類があります。
吃音の原因は明らかになっていませんが、多くは体質的(遺伝的)な要因によるものと考えられています。
多くは幼児期に発症し、成長とともに不安や緊張が増すことも
吃音は、言葉の発達が進む2~5歳ごろに発症することが多く、そのうちの7~8割ほどは成長するとともに自然に治るといわれています。しかし、残りの2~3割の人では徐々に症状が固定化し、大人になっても吃音が続きます。
発症当初は自分の症状に気づかないことが多いです。しかし、吃音の症状を頻繁にくり返したり、まわりから指摘されたりすることで、吃音を意識するようになります。それにより、うまく話せないことを気にしたり、人前で話す場面で不安や緊張、恐怖を感じたりするようになります。
ゆっくり話を聞くことが大切
心理的な負担を軽減するためには、保護者をはじめ、まわりの人が適切なサポートをすることが大切です。
吃音のある子どもに対して、「ゆっくりでいいよ」「落ち着いて」などとアドバイスすることは避けましょう。こうした声がけはかえってプレッシャーを与え、不安にさせてしまうことがあります。
大切なのは、子どもが「吃音があっても大丈夫だ」と安心できる環境を整えることです。本人の言葉を遮らず、最後までゆっくりと話を聞くようにしましょう。
また、必要に応じて保育所や幼稚園、学校の先生などに相談し、情報を共有しましょう。吃音をからかう人がいたら、きちんと話をしてもらうことも大切です。
吃音について悩んでいる場合は、言語聴覚療法を行っている医療機関や療育センターなどで相談しましょう。