膝が痛くて歩くのがつらい……「変形性膝関節症」とは

膝が痛くて歩くのがつらい……「変形性膝関節症」とは

膝が痛くて歩くのがつらい……「変形性膝関節症」とは

2024.04.05

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変形性膝関節症とは、膝関節に痛みや腫れ、変形が起こる病気です。放置すると日常生活に支障をきたすことも少なくないため、膝の痛みがあらわれたら早めに対処することが肝心です。

軟骨がすり減ることで発症する

健康な人の膝関節の骨の表面には軟骨があります。また、膝関節は関節包と呼ばれる袋状の組織で包まれ、その内部は関節液で満たされています。軟骨がクッションの役割を、関節液が潤滑油の働きをすることで、骨と骨がぶつかるのを防ぎ、関節の動きを滑らかにしています。

ところが、加齢などによって軟骨がすり減ると、削り取られた軟骨の破片が関節包内で散らばります。これが刺激となって炎症が起こり、痛みや腫れが生じます。さらに進行して軟骨が完全になくなると、骨同士がぶつかり合って関節が変形します。

初期では、歩き出そうとしたときなどに一時的な違和感や痛みが生じる程度ですが、進行すると、階段の上り下りで膝が痛む、正座が困難になる、膝が腫れて熱をもつ、関節が変形するなどの症状がみられます。さらに進行すると、安静時でも痛みが生じるほか、階段の上り下りや長時間の歩行が困難になり、変形もより目立つようになります。

変形性膝関節症になると、長期にわたってつらい痛みに悩まされるケースも少なくないため、早めに対処することが重要です。

痛みの予防や改善には適度な運動が有効

変形性膝関節症の治療でまず行われるのが、運動療法です。強い痛みがあるときは安静にしたほうがよいですが、いつまでも動かさずにいると筋力が低下したり、関節の動きが悪くなったりして、かえって痛みがひどくなります。

太ももの前側にある大腿四頭筋、骨盤の脇にある中殿筋を鍛えると、症状の改善に役立ちます。これらを鍛えることで痛みが軽減してきたら、ウォーキングやヨガなどの運動も行いましょう。

また、体重が重いほど膝に負担がかかるため、肥満の人は減量に努めることが大切です。

手術のほか、新たな治療法も登場

痛みが激しい場合は、薬物療法を行います。痛み止めの内服薬や湿布薬を使用するほか、ヒアルロン酸注射で痛みを軽減することもあります。

これらの保存療法で改善しない場合は、手術が検討されます。手術には、すり減って変形した部分を人工関節に置き換える人工膝関節置換術と、骨の一部を切って関節の角度を矯正する骨切り術があります。

このほか、近年登場した治療法に「ラジオ波治療(末梢神経ラジオ波焼灼療法)」があります。これは、膝関節の末梢神経にラジオ波と呼ばれる高周波を当て、痛みの伝達を遮る治療法です。

どの治療法を行うか、医師とよく相談して選択しましょう。

(家庭の医学大全科ウェブサイト 編集部)