いびきや日中の強い眠気は睡眠時無呼吸症候群のサインかも

いびきや日中の強い眠気は睡眠時無呼吸症候群のサインかも

いびきや日中の強い眠気は睡眠時無呼吸症候群のサインかも

2024.03.01

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睡眠時無呼吸症候群は、寝ている間に呼吸が止まったり、浅くなったりをくり返す病気です。放置するとさまざまな病気のリスクが高まるので、気になる症状がある場合は早めに医療機関で相談しましょう。

舌の根元が落ち込み、気道が塞がることが原因

睡眠時無呼吸症候群の代表的な症状は大きないびきです。深く眠れないため熟睡感が得られず、日中に強い眠気に襲われます。睡眠時無呼吸症候群の多くはこの閉塞性と呼ばれるタイプです。睡眠中に舌の根元などがのど元に落ち込んで、空気の通り道である気道が狭くなっていびきをかくようになり、気道が完全に塞がれると無呼吸状態になります。

舌やのどの周りにも脂肪がついている肥満の人や、もともと気道が狭いあごが小さい人などは、睡眠時無呼吸症候群のリスクが高いとされています。

また、睡眠時無呼吸症候群のなかには、心不全や脳卒中などの病気が原因で、脳や神経のなかの呼吸をつかさどる中枢がうまく働かないために起こる中枢性というタイプもあります。

さまざまな病気や交通事故のリスクが上昇

睡眠時無呼吸症候群は直接命に関わる病気ではありませんが、無呼吸によって血液中の酸素濃度が低下すると、心臓や血管に大きな負担がかかり、動脈硬化や高血圧、心筋梗塞、脳卒中、糖尿病などのリスクを高めます。また、熟睡できないため眠気によって交通事故を起こしやすくなるというデータもあり、軽視することはできません。

睡眠時無呼吸症候群の診断には、問診と併せて、自宅で酸素飽和度計(パルスオキシメーター)を使って睡眠中の呼吸状態を調べる簡易モニター検査を行います。ここで異常が認められた場合は、医療機関に一晩入院してより詳しく調べる睡眠ポリグラフ検査(PSG)が行われます。

まずは生活習慣の改善を

睡眠時無呼吸症候群の治療では、生活習慣の改善が重要です。とくに、肥満の人は減量が症状改善に有効なので、食生活を見直し、運動習慣も取り入れて減量に努めることが大切です。また、寝る前の飲酒や喫煙は症状悪化の原因になるため、控えましょう。

中等症から重症の睡眠時無呼吸症候群に対しては、持続陽圧呼吸療法(CPAP)という治療が行われます。これは、寝るときにマスクを装着し、機械で圧力をかけた空気を鼻から気道へ送り込むことにより、気道が塞がるのを防ぐ治療法です。

また、気道を塞ぐ原因となる扁桃肥大や鼻ポリープなどがある場合は、手術でそれらを取り除くこともあります。

睡眠時無呼吸症候群は自身では気づきにくいため、熟睡した感じがしない、眠気が強いといった人は家族などに自身の睡眠中の様子を聞いてみましょう。

(家庭の医学大全科ウェブサイト 編集部)