口を開けるときに音がしてあごが痛む「顎関節症」
口を開けるときに音がしてあごが痛む「顎関節症」
2023.10.06広告
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顎関節症は、あごの関節やその周辺が痛んだり、口が開けづらくなったりする病気です。生活習慣の改善により症状が軽減するケースも多いですが、日常生活に支障をきたしている場合は、早めに適切な治療を受けることが大切です。
日常の無意識な動作が主な原因
顎関節症の主な症状は、口を開くときなどにあごが痛む、口が開きにくい、あごを動かすと「カクン」「コリッ」といった音がする、の3つです。これらの症状のうち1つでも当てはまり、ほかの病気が否定された場合に顎関節症と診断されます。
上下の歯のかみ合わせの異常や関節円板(頭の骨と下あごの骨の上部の間でクッションの役目をしている組織)のずれ、日常生活での無意識な動作により、顎関節に負担をかけていることが原因と考えられています。具体的には、歯をくいしばる、歯ぎしりする、食べ物を片方でかむクセがある、などがあげられます。特に、ストレスを感じているときや緊張状態にあるときは、無意識に強くかみしめてしまうため、顎関節に負担がかかります。
食生活や姿勢などを見直し、症状改善を図る
顎関節症の症状を改善するには、生活習慣を見直すことが大切です。食生活では、硬いものは避け、めん類やおかゆ、豆腐など、やわらかいものを食べるようにしましょう。長時間かみ続けるのも控えます。
また、大きなあくびを避けるなどあごの使い方に気をつけるほか、頬杖をつく、同じ姿勢を長く続ける、猫背、うつ伏せになるなどは、顎関節に負担がかかるため、避けるようにします。かみしめグセがある人は、目につく場所に「かみしめない」と書いたメモを貼るなどして、気づくたびに上下の歯を離すことを意識しましょう。
あごまわりの筋肉の緊張をほぐすには、口を開けるストレッチも有効です。3本の指を縦にそろえて口に入れ、5~10秒間キープします。これを1時間に1回行います。また、側頭部からあごまわり、首、肩まわりなどを手でやさしくマッサージすると、筋肉の緊張がほぐれて血行がよくなり、痛みが軽減します。
睡眠時の歯ぎしりが原因の場合は、マウスピースで治療
睡眠時の歯ぎしりやくいしばりが主な原因となっている場合は、生活習慣の見直しやマッサージなどでは症状を改善することが難しいため、マウスピースを使った治療がすすめられます。
あごの骨などの変形が大きく、生活習慣の見直しやマウスピースの使用などでも症状が改善せず、口が開かないなど重症な場合は、手術が検討されます。
顎関節症が疑われる症状があり、日常生活に支障をきたしている場合は、早めに歯科医や口腔外科医に相談しましょう。