頭を動かすとめまいが起こる「良性発作性頭位めまい症」
頭を動かすとめまいが起こる「良性発作性頭位めまい症」
2023.07.07広告
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良性発作性頭位めまい症とは、頭を動かしたときにぐるぐると回転するようなめまいが繰り返し起こる病気です。頭を動かす体操などはめまいの改善に役立つので、気になる症状がある場合は放置せず、早めに耳鼻咽喉科医やめまい相談医に相談しましょう。
内耳の器官の異常でめまいが生じる
めまいが起こる原因の多くは耳にあります。耳の奥の内耳には、体のバランスをつかさどる三半規管と、頭の傾きを感知する耳石器(じせきき)という器官があります。これらの器官に異常が生じると、めまいが起こります。
回転性のめまいが繰り返し起こる
良性発作性頭位めまい症とは、耳石器の中にある耳石(ごく小さな石のようなもの)がはがれて三半規管に入り込むことで生じるめまい症状をいいます。耳石が多数はがれて三半規管に集まると、頭を動かしたときにその耳石も移動するため、めまいが起こります。
めまいはじっとしているときには起こらず、起床時や寝返りをしたとき、お辞儀で下を向いたとき、上を向いて洗濯物を干すときなど、頭を動かしたときに起こるのが特徴です。症状は回転性のめまいがほとんどで、数秒間から2~3分間続き、何度も繰り返し起こります。難聴や耳鳴りといった聴覚のトラブルは伴いません。
症状を改善する体操は医師の指導のもとに行うことが大切
良性発作性頭位めまい症の治療では、頭の角度を変えながらゆっくり動かし、三半規管に入った耳石を元の位置に戻す体操(浮遊耳石置換法)が有効です。三半規管のどこに耳石が入っているかによって体操の方法は異なるため、専門医の指導のもとに行う必要があります。この体操によって7割以上の人が改善するといわれています。
ほかにも、症状をやわらげるために吐き気止めや抗不安薬、抗めまい薬などを補助的に使うこともあります。
めまいを起こさないためには、耳石が三半規管に入らないようにすることが大切です。耳石は横向きに寝ると三半規管に入りやすくなるので、いつも同じ姿勢で寝ないようにするほか、横になった姿勢で長時間テレビなどを見ないように気をつけましょう。また、寝るときに頭を高くして寝ると耳石が三半規管に入り込みにくくなるので、枕を高くすることや上半身を少し起こして寝ることなどもおすすめです。