コロナ禍が原因の難聴も。その予防と対策とは

コロナ禍が原因の難聴も。その予防と対策とは

コロナ禍が原因の難聴も。その予防と対策とは

2022.11.04

広告

広告

加齢により聞こえが悪くなる加齢性難聴はよく知られていますが、実は最近、新型コロナウイルスへの感染や、コロナ禍における生活様式の変化によっても難聴がおこることがわかってきました。難聴が進行すると社会生活にも支障をきたすため、適切な対策をとることが大切です。

聞こえに関わる部分に障害があることで発症

耳は、外耳、中耳、内耳という3つの部分で構成されています。外耳は音を集めて鼓膜まで伝え、中耳は音を増幅し、内耳は音の振動を電気信号に変換して脳に伝える役割をしています。

難聴は、これらのどこかが障害を受けることにより発症するもので、外耳と内耳の障害により音がうまく伝わらない「伝音難聴」と、内耳や脳の障害により音をうまく感じ取れない「感音難聴」の2つに大きく分けられます。

加齢性難聴は感音難聴の一種で、主な原因は内耳にある有毛細胞の損傷です。有毛細胞は、音を感知して電気信号に変え、脳に伝える役割をしますが、加齢とともに損傷が進行すると、音の情報をうまく脳に送ることができなくなります。これが加齢性難聴です。

コロナ禍特有の難聴の原因とは

一方、新型コロナウイルス感染症によっておこる難聴は、内耳に直接、ウイルスが感染して炎症をおこすことが原因の1つと考えられます。また、感染すると血管に炎症がおこるため、耳への血流が低下して聞こえにくくなる場合もあります。

あるいは、新型コロナウイルス感染症の治療に用いる免疫抑制薬の影響により、免疫機能が低下し、ほかのウイルスや細菌に感染することで難聴を引きおこすケースもあります。

また、コロナ禍を機にリモート会議などでイヤホンやヘッドホンを使用する機会が増えたことで、いわゆる「イヤホン(ヘッドホン)難聴」になる人も増えています。そのほか、コロナ禍によるストレスにより、突発性難聴を発症する場合もあります。

リスクを理解し、適切な対策を

新型コロナウイルス感染症が原因の難聴の多くは、病気の回復とともに治ります。ただし、有毛細胞の損傷が激しいと後遺症として難聴が残る場合があるので注意が必要です。

イヤホン難聴を防ぐには、日常会話程度の音量に設定し、60分に1回は休憩すること。突発性難聴の予防には、ストレスをうまく解消し、十分な休養を心がけることが大切です。

また、加齢性難聴を放置すると、コミュニケーションがうまくとれないだけでなく、周囲の危険を察知できない、認知症のリスクが高くなるといった危険もあります。そうした弊害を招かないためにも、耳鼻咽喉科の医師にみてもらい、聞こえを改善するようにしましょう。

(家庭の医学大全科ウェブサイト 編集部)