若い世代も要注意!脳卒中

若い世代も要注意!脳卒中

若い世代も要注意!脳卒中

2022.03.18

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脳卒中は、がんと並んで日本人の死因の上位を占める病気です。高齢者の病気と思われがちですが、若い人でも発症する場合があります。たとえ命が助かっても長期にわたって後遺症に悩まされる可能性もあるため、まずは予防に努めることが大切です。

最大の原因は高血圧

脳卒中は、大きく分けて3つの種類があります。脳の血管が詰まる「脳梗塞」、脳の血管が破れる「脳出血」、脳の血管にできた動脈瘤が破裂して脳の周囲に出血する「くも膜下出血」です。脳卒中のうち、高齢者では脳梗塞が大半を占めるのに対し、40代以下の若年層では高齢者よりも脳出血やくも膜下出血の発症率が高い傾向があります。

脳卒中の最大の原因は高血圧で、血圧が高い状態が続くと動脈硬化が進行します。すると、血液の通り道が狭くなって血管に負荷がかかるため、血管がもろくなります。また、血液の流れが悪くなるため、血栓(血の塊)ができやすくなります。その結果、脳卒中を引きおこすのです。

がん患者はリスクが約2倍に

脳卒中は高血圧の人だけでなく、心房細動という不整脈をもっている人も要注意です。心房細動とは、心臓でけいれんがおきたように拍動が乱れる病気で、血液の流れが悪くなり、心臓内部に血栓ができやすくなります。

この血栓が血流によって脳に運ばれ、脳の血管を詰まらせてしまうことがあります。これを心原性脳塞栓症といいます。

脳梗塞はがんとの関連も指摘されており、がん患者はそうでない人と比べて、脳梗塞を発症するリスクが約2倍になるという報告もあります。これは、がん細胞から血液を固まりやすくする物質が分泌され、血栓ができやすくなるためとされています。

喫煙者は禁煙し、異常が指摘されたら速やかに受診を

また、妊婦で妊娠高血圧症候群になっている人は、脳出血をおこしやすいこともわかっています。

そのほか、生まれつき心臓の右心房と左心房の間の壁に「卵円孔(らんえんこう)」という孔が開いている人も注意が必要です。このような人の脚の静脈に血栓ができる(エコノミークラス症候群)と、血流によって運ばれた血栓が右心房から左心房に流れ込み、さらに脳に達して脳梗塞をおこす可能性があるからです。

さらに、もやもや病や膠原病、血液凝固異常症、脳動脈解離といった病気が原因で脳梗塞を発症する場合もあります。これらの病気以外では、喫煙も脳卒中のリスクを高めることが明らかになっています。

脳卒中を予防するためには、血圧のコントロールと禁煙に努め、健診等で異常が指摘された際には速やかに医療機関を受診することが大切です。

(家庭の医学大全科ウェブサイト 編集部)