尿もれは、セルフケアで改善も

尿もれは、セルフケアで改善も

尿もれは、セルフケアで改善も

2022.02.18

広告

広告

尿もれは中高年以降に多くみられる症状ですが、恥ずかしさから受診せず、そのまま放置している人が少なくありません。セルフケアで改善できる可能性も十分にあるので、日常生活に支障をきたさないためにも、正しい対処法を覚えておきましょう。

出産・加齢などによる骨盤底筋の緩みが原因

尿もれは男女問わず誰にでも起こり得るものですが、男性よりも女性に多い傾向があります。尿もれにはいくつかのタイプがあり、女性の尿もれの半数以上は腹圧性尿失禁が原因とされています。

膀胱や尿道、子宮、直腸などは、骨盤底という筋肉群によって支えられています。妊娠や出産、加齢などによって骨盤底筋が緩むと、それらの臓器をしっかり支えられなくなり、尿道を閉じる力も弱くなります。

そのような状態だと、おなかに力が入ったときに尿もれが起こりやすくなります。これが腹圧性尿失禁です。具体的には、せきやくしゃみをしたとき、大笑いしたとき、重いものを持ち上げようとしたときなどがあげられます。

男性の尿もれの最大原因は前立腺肥大症

次に多いのが、急に強い尿意が起こり、我慢できずにもれてしまう切迫性尿失禁です。切迫性尿失禁は40歳代以降に多くみられ、膀胱が過敏になる過活動膀胱が関係していると考えられています。

一方、男性の尿もれの原因で多いのが前立腺肥大症です。前立腺は膀胱のすぐ下にあり、尿道を取り囲んでいるため、肥大すると尿道を圧迫し、尿もれが起こりやすくなります。

「骨盤底筋体操」と「膀胱訓練」でセルフケアを

腹圧性尿失禁や切迫性尿失禁の改善には、骨盤底筋体操が有効です。あお向けに寝て両ひざを立て、全身の力を抜きます。息を吐きながら肛門、膣、尿道をギューッと胃のほうに引き上げるイメージで締め、5秒間キープしてから力を緩めます。これを1日10セット行います。慣れてきたら、椅子に座った状態や立ったまま行ってもOKです。

切迫性尿失禁には膀胱訓練も有効です。強い尿意を感じたときにすぐにトイレに行かず、3分間我慢するという訓練で、これを続けると膀胱にためられる尿の量が徐々に増えていきます。

尿もれが心配で外出をためらってしまう場合は、吸水パンツや吸水パッドを使用すると不安が解消されます。これらのセルフケアで改善しない場合は、できるだけ早めに泌尿器科を受診しましょう。

前立腺肥大症による尿もれの場合は、前立腺肥大症そのものの治療が必要になります。合わせて、長時間の座位を避ける、コーヒー・アルコール・刺激物をとりすぎない、下半身を冷やさないなど、前立腺への負担を減らす生活習慣を心がけましょう。

(家庭の医学大全科ウェブサイト 編集部)