動悸や息切れは、年のせいではなく「心不全」かも

動悸や息切れは、年のせいではなく「心不全」かも

動悸や息切れは、年のせいではなく「心不全」かも

2021.12.17

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死亡原因としてよく見聞きする心不全は、心臓の働きが悪くなった状態のことで、放置すると命に関わる危険もあります。動悸や息切れなどの症状がみられたら、単に老化のせいと決めつけず、早めに受診しましょう。

心臓の病気のほか、生活習慣病も原因に

心不全とは、特定の病気の名前ではなく、心臓の機能がうまく働かず、血液循環が滞ってしまう状態をいいます。心臓は、心筋(心臓の筋肉)がポンプのように収縮と拡張をくり返すことにより、全身の臓器や細胞に血液を送り出しています。このポンプ機能が低下した状態が心不全です。

心不全の原因となる主な病気には、心筋に血液を送る冠動脈が詰まる心筋梗塞、冠動脈の血流が低下する狭心症、心臓の弁に異常が起こる弁膜症、心筋そのものに異常が起こる心筋症、心筋に炎症が起こる心筋炎、脈が乱れる不整脈などがあります。

また、高血圧や糖尿病などの生活習慣病があると心不全のリスクが高くなります。

悪化すると安静時でも息切れが起こる

心不全の代表的な症状は、息切れとむくみです。心不全になると全身に十分な血液が行き渡らなくなるため、階段や坂道などをのぼるときに息切れが起こります。進行すると、平らな道を歩くだけでも息苦しくなり、さらに悪化すると安静時でも息切れが起こるようになります。

また、血流が滞りやすくなることから、体内に水分がたまってむくみが起こります。心不全によるむくみは脚に起こりやすく、すねや足の甲を指で押すと皮膚にへこんだ痕が残り、しばらく元に戻らないという特徴があります。

そのほか、動悸、疲れやすい、不眠、手足の冷え、食欲不振、腹部膨満感、むくみによる急激な体重増加などがみられる場合もあります。

サインを見逃さず、初期の段階で適切な対処を

近年は高齢化に伴い、高齢者の心不全が増えていますが、息切れや動悸がしても年のせいだと思い込んで放置しているケースが少なくありません。心不全は、さまざまな心疾患がたどる終末像であり、高齢者がもっとも気をつけなくてはいけない心臓トラブルの一つです。

息切れやむくみといった心不全のサインを見逃さず、初期の段階で適切に対処し、進行を食い止めることが重要です。

心不全を予防するためには、定期的に心臓の検査を受けることが大切です。もともと心臓の病気がある人、高血圧や糖尿病などの生活習慣病がある人は、適切な治療を受けることが心不全の予防につながります。

さらに、塩分を控える、肥満を解消する、禁煙するなど、心臓に負担のかからないような生活習慣を心がけましょう。

(家庭の医学大全科ウェブサイト 編集部)