ひきこもりの原因にも─若者に増えている「ゲーム障害」
ひきこもりの原因にも─若者に増えている「ゲーム障害」
2021.11.19広告
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ゲームに熱中しすぎるあまり、日常生活にまで支障をきたしてしまうゲーム障害。近年、中学生や高校生を中心に増えており、2019年には世界保健機関(WHO)が新たな国際疾病分類として認定しました。ゲーム障害は心身にも大きな影響を及ぼすため、まずは予防に努めることが肝心です。
ゲーム障害の診断基準は…?
ゲーム障害は、主にインターネットを使って行うオンラインゲームが原因となります。
①ゲームをする時間をコントロールできない、②ほかの生活上の関心事や日常の活動よりゲームを優先する、③ゲームをすることによって学業や仕事、家事などの日常生活に著しく支障をきたしている、④ゲームによって問題が起きているにもかかわらずゲームを続ける、以上すべての項目に該当し、それが12カ月以上続いている場合、ゲーム障害と診断されます。ただし、症状が重い場合は12カ月未満でも該当します。
ひきこもりや暴力行動につながることも
オンラインゲームの多くは終わりがなく、内容が絶えず更新されます。そのため、飽きずにずっと続けることができます。また、インターネットを通じてほかの人と競ったり、協力し合って楽しんだりできることも、どんどんのめり込んでしまう要因と考えられます。
ゲーム障害になると、ゲームをすることが最優先されます。その結果、生活のリズムが乱れ、朝起きられない、昼夜が逆転する、学校を欠席することが増える、といったことが起こります。これが重症化し、ひきこもりになるケースも珍しくありません。
また、体を動かさずにゲームばかりしているため、体力の低下や食生活の乱れ、うつ症状などを引き起こします。さらに、親から注意されたときなどに、暴言や暴力を振るう場合もあります。
ルールを決めるときは、子どもと話し合いながら
今やスマートフォンは生活必需品となっており、完全にスマホを避けて生活することは困難です。そのため、ゲーム依存にならないためには、予防が第一です。
まず、スマホやゲームを持たせる際に、家庭内でのルールを作ります。正しい使用方法を守らないとどのような支障があるかを理解させたうえで、子どもと話し合いながら使用場所や時間などを決めます。また、守れなかったときは使用を制限することもルールに加えます。その際、制限を与えるのは子どもを守るためであることをきちんと伝え、子どもが納得できる範囲のペナルティにすることが大切です。これらのルールは紙に書いて、見えるところに貼っておきましょう。
そのほか、使用できる時間帯などを設定できる制限機能などを活用することも有効です。