日常生活に支障がある場合は手術の検討を─白内障
日常生活に支障がある場合は手術の検討を─白内障
2021.10.01広告
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白内障は、主に加齢が原因でおこる代表的な目の病気です。放置すると見えづらさがどんどん増してしまい、けがなどにつながる恐れもあります。見え方に異常を感じたら早めに眼科を受診し、日常生活に支障をきたしている場合は、医師に相談のうえ手術を検討しましょう。
水晶体が濁り、見えづらくなる
白内障とは、眼球の中にある水晶体が濁ることにより、目が見えづらくなる病気です。
水晶体は、カメラのレンズのような働きをする組織で、外から入ってきた光を屈折させて網膜(もうまく)という目の奥の薄い膜状の組織に届け、対象物がきれいに表示されるようにピントを調整します。ところが、長年目を使い続けていると、水晶体を構成するたんぱく質の性質が変化し、徐々に白色または黄白色に濁っていきます。すると、光が網膜に十分に届かなかったり、散乱したりして、見え方に支障が出ます。これが白内障です。
主な症状として、目がかすむ、物がぼやけて見える、光をまぶしく感じる、片方の目で見ると物が二重、三重に見える、暗いところで見えにくい、一時的に近くがよく見えるようになる、といったことがあげられます。
最大の原因は加齢
白内障の最大の原因は加齢で、加齢性白内障とも呼ばれます。また、糖尿病やアトピー性皮膚炎、ほかの目の病気があると白内障を発症しやすいほか、ステロイド薬の長期使用、紫外線、赤外線、放射線、喫煙なども発症リスクを高めるとされています。
白内障を診断するには、視力検査、屈折検査、眼圧検査、細隙灯(さいげきとう)顕微鏡検査などが行われます。細隙灯顕微鏡検査とは、薄暗い室内で目に細長い光を当て、顕微鏡で眼球の内部を観察する検査で、水晶体の濁り方や白内障の進行具合などを調べることができます。
進行すると手術が難しくなるため、早めの治療を
初期の白内障の場合、多くは経過観察となり、病状の進行を遅らせるために点眼薬が処方されることもあります。
白内障により日常生活に支障をきたしていたり、不便を感じたりしている場合は、手術が必要となります。手術では、まず濁った水晶体を超音波で砕き、吸引します。その後、水晶体の代わりとなる人工の眼内レンズを挿入します。
眼内レンズには、一定の距離だけにピントが合う単焦点レンズと、複数の箇所にピントが合う多焦点レンズがあります。2種類のレンズにはそれぞれ長所・短所があるため、それらを十分に考慮したうえで、自分の生活に合ったレンズを選ぶことが大切です。
手術は局所麻酔をして行うため、痛みを感じることはほとんどありません。病気が進行してからだと、手術の難易度が高くなるため、担当医と十分に相談のうえ、早めに手術を受けることが勧められます。